01/06(木曜日)

「補(ホ)」の仕事

 

内閣官房副長官補 T.S

 

「内閣官房副長官補」

私は「内閣官房副長官補」という職に就いています。「長官」の前後に「副」と「補」が付く聞きなれない職名ですが、仕事は、総理、官房長官、副長官にお仕えして、その指示に従い、多くの省庁にまたがる重要案件の事務的な整理をすることです。長い職名なので、職場では「補(ホ)」と省略形で呼ぶ習わしです。「補!」と呼びかけられて、当初は自分のこととは思えない違和感がありましたが、今では自然に反応しています。

 

職場は総理官邸から道ひとつ隔てた「内閣府本府」の建物にあり、そこで各省の局長クラスの人たちと常時連絡や調整を行うとともに、毎日3~4回は、打ち合わせや会議出席のために、官邸に通っています。この「内閣府本府」の建物には、「内閣官房」に属する「副長官補室」(ここが私の職場です)や「国家戦略室」など、そして「内閣府」の一部が入っています。

 

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内閣官房と内閣府が入った「内閣府本府」の建物

 

「内閣官房」と「内閣府」

ここで誰しもが疑問に思うのは、「内閣官房と内閣府はどこがどう違うのか?」ということではないでしょうか。どちらも省庁にまたがる案件を調整する「横割り」機能を有する組織という点では同じなので、外部の人には区別がつきません。敢えて「感覚的」に言えば、内閣官房の方が、総理や官房長官との距離が近く、時々の官邸が直面する緊急で重要な課題を「第一段階として」処理するという色彩が強いということでしょうか。その意味で、内閣官房は総理補佐官や参与、秘書官とともに「官邸スタッフ」なのです。内閣官房で第一段階の処理が終了した案件は、その内容によって内閣府や各省庁の事務に移管されていきます。

 

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内閣官房はこのような組織から構成されています

 

増えつつある省庁を超えた課題

近年、省庁の枠を超えた重要案件が増えつつあります。「宇宙戦略」や「海洋戦略」一つとっても科学技術、資源確保、防衛など広い分野に関係します。「口蹄疫対策」や「鳥インフルエンザ対策」などは、農林水産省や環境省だけでなく、防疫のためには警察、自衛隊、専門家(文部科学省、厚生労働省)の支援が必要ですし、道路を管理する国土交通省の協力も欠かせません。最近ベトナムへの原子力発電の輸出に成功した「パッケージ型インフラ輸出」のプロジェクトでも、内閣官房の下で、外交を担当する外務省、産業や通商政策を担当する経済産業省のほか財務省、総務省、国土交通省など多くの省庁の緊密な連携と協力が実を結んでいます。 
この他、EPAやTPPへの対応、大規模な訴訟への対応、地球温暖化対策など、各省の仕事を総合調整する内閣官房や内閣府の役割は、ますます重要になりつつあります。

 

省庁を超えた課題に対応する各種組織

このような省庁の枠を超えた課題を政治主導で敏速に処理するため、最近は、「閣僚委員会」や「関係閣僚会合」、「副大臣会合」などが大いに活用されています。「閣僚委員会」は総理をヘッドに限定された閣僚で構成され、臨機に招集されます。内閣官房はその事務局を務めています。

 

この他に、総理をトップとする「○○本部」「○○会議」などの常設組織が、主なものだけで30ほどもあります。これらには、それぞれに担当の大臣が指名されているのですが、縦割り行政の限界を補完すべく作られたこれらの会議がバラバラに運営されれば、今度は横割り相互の整合性に欠ける懸念が出てきます。

 

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12月9日に開催された予算編成に関する閣僚委員会

 

縦・横の全体的指揮を目指す菅総理の指示

そこで、昨年10月に菅総理は、これら各種会議のトップとして全体を把握し適時・的確に必要な指示を与えることができるように、内閣官房に全会議の進捗状況の管理と総理への定期報告を命じられました。さっそく私たちは、これら約30の会議事務局から日程や成果が出る時期等につき、総理補佐官とともに改めてヒアリングを行い、その結果を一覧資料にして菅総理にご説明し、今後のご指示をいただきました。縦と横の政策を全体的に見渡し、整合的に検討を進め、適時に成果を出していくことの重要性を改めて確認した次第です。

 



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