01/13(木曜日)

危機管理の最前線から

 

内閣官房副長官補 T.N

 

私は、官邸に3人いる内閣官房副長官補の一人として、安全保障・危機管理を担当しています。具体的には、1)地震災害・風水害といった自然災害や、2)航空・鉄道などの重大事故、3)弾道ミサイルや新型インフルエンザなどの国の安全に関する脅威、4)そして電力、ガス、物流等、国民にとって重要なインフラのネットワークに対して不正にアクセスし機能停止させるような、いわゆる「サイバーテロ」への対応が主な仕事です。

 

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内閣官房における安全保障・危機管理への取り組み

 

突発事故等が発生し、国として緊急措置が求められる場合には、私も直ちに官邸地下にある危機管理センターに駆けつけます。約100名の担当職員が交代で365日、24時間体制で官邸地下の危機管理センターに詰めており、事故や災害等の情報を収集しています。いざ事故等が起これば、彼らからの一斉メールや電話等で、官邸・各省幹部職員に情報が伝えられ、事態対処を開始します。

 

実は、今の職務に就く前にも、私は「危機管理」の仕事に携わったことがあります。防衛庁(当時)の審議官や局長として官邸に緊急召集されて事案対処にあたったことも数度。2002年に運用が開始された現官邸地下の危機管理センターの立ち上げにも関与しました。当時に比べると、地震等に対する官邸の対応は格段に改善されました。特に情報伝達・共有や立ち上がりの早さなどは隔世の感があり、目をみはるものがあります。この間の情報通信等の科学技術の進展は凄まじいものがありますが、それ以上に実際の危機管理を担当した危機管理チームの経験と知恵に負うところが多かったと聞きます。

 

ただ、残念ながら、具体的な事案対処に当たって、「立ち上がりが遅い」「対応が生温い」とのご指摘を、部内外から受けることもあります。我々としては指摘を真摯に受け止め、今のシステムが理想のものとは思わず、引き続き、弛まぬシステム改善の努力を続けるつもりでおります。

 

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官邸で開催された北朝鮮による砲撃事件対策本部の様子
危機管理の改善努力は続きます

 

しかし、そもそも危機管理とは、100%完全な情報がない状況で決断が求められるもの。システムをいかに完璧に仕上げても、常に予測外の事態が起こり、一定の「不確実性」を排除しきれないなかで、速やかに方針を決め、行動に移さねばなりません。

 

したがって「決断を下す側」の責任は重大です。いま、現場を指揮して決断を補佐する立場にいる者として、私は、自分の判断が大きく左右することを肝に銘じ、重大事故等の被害を回避・最小化するべく、最善の熟慮を尽くし、一度決めたらためらうことなく実行する。その覚悟を持って仕事に臨みたいと思っています。

 



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