01/19(水曜日)

トップ・セールス成就!「日本を挙げて」の舞台裏

 

内閣官房副長官補 C.K

 

「原子力発電所2基の建設協力のパートナーを日本にする。」

 

昨年10月31日午前、ベトナムの首都ハノイで開催された菅総理とズン・ベトナム首相との首脳会談で決定された瞬間である。「よし!」出席者一同、喜びの表情を浮かべました。このプロジェクトは総額約1兆円規模。日本にとって、受注は大きな成果です。

 

でも、喜びの理由はそれだけではありません。菅総理にとっては尚更です。民主党政権発足から着実に進めてきた「新成長戦略」の大きな果実が実った瞬間だったからです。

 

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共同記者会見に臨む菅総理とズン首相

 

菅内閣は、昨年6月18日に「新成長戦略 ~元気な日本復活のシナリオ」を決定しました。これは一昨年の秋から菅「国家戦略担当大臣」が直接陣頭指揮にあたってきた「成長戦略」を集大成したものです。その「新戦略」の大きな柱の一つが「パッケージ型インフラ海外展開」で、そのまた中心の一つが「日本の原子力発電の輸出」。関係大臣や民間の関係者がしばしば集まって、その方策について議論を重ねてきました。

 

高速鉄道、上下水道、そして原発など、世界のインフラ整備市場が、大きく成長する中で、日本は2020年までに約20兆円の市場獲得を目指しています。しかし、アラブ首長国連邦の原発を韓国が、ベトナムの原発(第1期)をロシアが受注するなど、他国が先行。原子力発電での技術水準世界一を自負する日本として、「ベトナムでの原発第2期受注で他国に負けることは許されない」。これが、関係者の共通した思いでした。

 

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ベトナムの原子力発電所建設予定地

 

ではなぜ今回はベトナムでの受注競争に勝てたか。それは韓国、ロシアとの競争に遅れを取った苦い経験を学んで、「新成長戦略」のもとで「日本を挙げて」取り組んだからです。「日本を挙げて」とは何か。3つの意味があります。

 

その第一は、日本の産業界が一丸となって、今回のベトナムの原発受注に取り組みました。一昨年12月のアラブ首長国連邦での入札競争の時、韓国は韓国電力をはじめとして韓国のプラント会社や建設会社が一丸となって入札しました。これに対して日本のプラント会社は米国のメーカーとタッグとを組んで臨みました。韓国は原発が出来た後の発電所の運営を含めて発電所を作ることで競争に勝ったのです。この経験を踏まえて今回のベトナムでの受注に向けては、日本のプラント会社とともに電力会社が共同して「国を挙げて」新たな会社を作って競いました。

 

「日本を挙げて」の第二は、日本がベトナムとの間で培ってきた長年の友好関係の様々な側面を使って政府からも今まで以上の働きかけをしました。ベトナムにとって日本は政府開発援助の最大の供与国でもあります。また原発を提供するとなれば、ベトナムとの間で「原子力協定」が必要となりますが、政府はねじり鉢巻きで交渉して、約1か月の間に数回の交渉を行って、異例のスピードで総理のベトナム訪問10日前に協定の実質妥結にこぎつけました。

 

さらに「日本を挙げて」の第三、これは「トップ・セールス」です。菅総理のベトナム訪問での決定。まさにトップ・セールスの成功そのものです。でも実は、ベトナム訪問にさかのぼること一か月足らず前、同じ10月の初めにも菅総理はズン首相にブリュッセルで日本の原発について働きかけているのです。

 

菅総理が国家戦略大臣時代から手掛けてこられた「新成長戦略」のもとの「パッケージ型インフラ海外展開」の成功第一号、これがベトナムの原子力発電です。

 

原発技術について日本は他国に優っている、これは日本の大切な財産ですが、これだけではゴールしません。新しい日本のアプローチが実りつつあります。第二、第三の成功を期待して見守ってください。

 



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