01/27(木曜日)

【シリーズ】23年度予算ここがポイント![2]

- 日本の「食」を支える農林水産業の再生に向けて -

 

23年度予算案のポイントをご紹介するシリーズの第2回目。
今回は、農林水産業の再生に向けた取組を、農林水産業をとりまく状況とともに、解説します。

 

日本の「食」を支える農林水産業 ~潜在力活かし、より魅力ある産業へ 
四季折々の多様な食材が織り成す、日本の「食」。
世界でも高い評価を受ける日本の食を生み出し、私たちの生活を支えているのが、質の高い食材を提供し続けてきた、日本の農林水産業です。

 

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世界に通じる日本食
出典:海外向け広報資材のご紹介「The Food of Japan Campaign」

 

政府は、23年度予算案では、産業としての持続性を確保しながら、その潜在力を活かした地域の取組を積極的に支援する姿勢を明確に打ち出し、たとえば、次のような予算を盛り込んでいます。

 

 ■農業者戸別所得補償制度の本格実施(対象品目の拡大など)
  
22年度予算  5,618億円 → 23年度予算政府案 8,003億円

 

・「農業者戸別所得補償制度」とは?
 販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物の生産者に対して
 生産費と販売価格の差額分を交付金として支給し、
 農家の所得を支える仕組みです。

 

 <23年度予算の内容>
  22年度に実施した水田作でのモデル事業の成果を踏まえ、
  畑作(麦、大豆などの生産)にも対象を拡大し、本格的に
  実施していきます。
  また、農家自身による生産性を高める努力を後押しするため、
  農地の集約によって経営規模を拡大した農業者に交付金
  (10aあたり2万円)を支払う、「規模拡大加算」を
  新たに導入します。

 

 <目指す効果>
  農家の経営の安定や生産力の確保を図り、農業の産業としての
  持続性を高めます。これによって、国産農産物が、私たちの食卓
  に安定して供給されることにも、つながります。

 

 ■未来を切り拓く6次産業創出総合対策
  
22年度予算  42億円 → 23年度予算政府案 130億円

 

・農業の「6次産業化」とは?
 菅総理も演説などでたびたび言及しているこのキーワード。農産物や、
 バイオマス、太陽光などの再生可能エネルギー、住む人の
 経験・知恵、といった農村の「資源」と、食品、観光、エネルギー
 などの「産業」を 結びつけ、新たな地域ビジネスや産業を生み出す
 取組のことです。
 例えば、三重県のある農村では、地元の大豆を使って味噌、豆腐、
 おからドーナッツなどを加工・販売する有限会社を設立。
 併設した工房やレストランも含め、休日には150人
 以上の人が訪れます。
 この結果、平成20年までの3年間で約3倍に売上高を伸ばし、
 地元の雇用創出にも貢献しています。
 また、菅総理が昨年12月に訪れた千葉県の農事組合法人では、
 野菜の生産から加工、販売に加え、バイオマス・プラントを活用した
 未利用資源のリサイクルなども、手掛けています。

 

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 野菜栽培場を視察する菅総理    バイオマス・プラントを視察する菅総理

 

 <23年度予算の内容>
  こうした取組を積極的に後押し、さらにその販路を広げるため、
   ① 「6次産業化プランナー」による専門的アドバイスなど、
     加工・販売への取組促進
   ② 新産業を創出するための新しい技術の事業化可能性調査など、
     農山漁村の由来する資源の活用促進
   ③ 消費者ニーズに合った商品(高齢者向けの加工食品など)
     の供給に向けた検討など、国内マーケットの活性化
   ④ 国別の戦略的なマーケティングの強化、産地への海外バイヤーの
     招へいや海外での販促活動の支援など、海外マーケットの
     開拓を行います。

 

 <目指す効果>
   地域資源を活かして新たな付加価値を生み出し、それを農山漁村に
   還元することで、農林漁業者の所得の向上や、農山漁村における
   雇用の確保につなげます。

 

農林水産業を取り巻く厳しい現状 ~所得の減少、高齢化など
農林水産業は、今、厳しい状況に置かれています。
日本全体の農業所得は、この18年の間に半減。農業就業人口の平均年齢が66歳と高齢化が進む一方、農業就業人口は年々低下し、多くの農家が後継者不足に悩まされています。

 

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     農業所得の推移          農業就業人口の推移(全国)
(出典)農林水産省「農業・食料関連産業の経済計算」   (出典)2010年世界農林業センサス結果の概要(概数値)          
 

 

また、平成21年度の日本の食料自給率は、カロリーベースで40%。国内で消費される食料の6割を、海外からの輸入に頼っている状況です。
その海外からの食料の輸入についても、新興国での食料の需要拡大や、昨年夏にロシアで起こったような、天候不順の影響による農作物の不作や輸出規制により価格が高騰するなど、不安定要素を抱えています。

 

このため、国内における、持続性のある力強い農林漁業の再生に向けた根本的な対策が、求められています。

 

再生へのカギ①~日本の食の魅力、農林水産に内在する潜在力
冒頭で触れた通り、日本食は、おいしさやヘルシーさで海外でも人気を呼び、我が国の食文化とともに、世界中で広がりを見せています

 

また、昨年9月には、神奈川県厚木市で開催された全国の「ご当地グルメ」を集めたイベント、「B-1グランプリ」が43万人もの集客を呼ぶなど、国内でも、地域に根ざした日本の食への人々の関心は、高まっています。

 

こうした、国内外で人気を呼ぶ日本の食の魅力に加え、農林水産業自体がもつ潜在的な力も、その再生に向けた大きな手がかりになります。まさに、前述の「6次産業化」です。

 

たとえば、農産物については、生産だけではなく、加工・販売といった消費者に届けるプロセスまで手掛けることで、農家の事業の幅を広げるとともに、付加価値を高め、収益を拡大することができます。

 

また、農山漁村には、農産物以外にも、バイオマスや太陽光などの資源が豊富に存在しています。それらを活用した新たなビジネスなども、農業のより魅力ある産業へと発展させる、大きな可能性を秘めています。

 

再生へのカギ②~多くの若者が就業を希望する魅力ある農林水産業へ
最近、若者の間で農林水産業への関心が高まり、さまざまな形で農林水産業にかかわる動きが出てきています。

 

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   「ノギャルプロジェクト」       JASC(日本農業系学生会議)の取組      
(秋田県大潟村)               (全国)                 

 

こうした動きは、農林水産業にとっても、日本全体にとっても、大きな希望となっています。

 

政府は、若者も含めた新たに就農を目指す方を後押しするため、就農希望者と農業法人などのマッチングの支援、技能習得のための研修、農業用機械の導入など初期投資の軽減支援などを行っています。

 

今後、多くの若者が就業を希望するためには、農林水産業を、いかに魅力ある産業としていくかが、根本的な課題となります。

 

政府では、農林水産業の再生のため、全力を挙げて、取り組んでまいります。

 

【関連リンク】

23年度農林水産関係予算

海外向け広報資材のご紹介「The Food of Japan Campaign」

 



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