05/31(火曜日)

日本の新たなスタートに向けて~政策推進指針~

 

(1)日本再生に向けた道筋~政策推進指針を閣議決定

5月17日、政府は、震災前から進めていた基本政策を進める再スタートのための「政策推進指針」を閣議決定しました。

 

この指針は、菅内閣が震災前に進めてきた成長戦略を、今回の震災による影響を踏まえて再設計したもの。日本が、再生に向けて新たなスタートを切るための大きな道筋を示す指針です。

 

電力制約、サプライチェーンの毀損、日本製品の風評被害―
今回の震災は、被災者の皆様に与えた多大な悲しみや苦難に加え、日本経済全体にもはかりしれない影響をもたらし、そこからの回復は、日本にとって、新たな重石となっています。

 

一方、少子高齢化、人口減少、20年にも渡る経済の停滞といった、日本が震災前から直面していた問題は、依然として克服すべき課題として残っています。

 

真の意味で日本が立ち直り、新たなスタートを切るためには、「危機の中の危機」である震災からの復旧・復興をしっかりと進めると同時に、改めてこれらの課題と向き合い、取り組んでいくことが不可欠です。

 

(2)再生に向けたアクションの土台となる経済財政運営

「政策推進指針」では、まず、再生に向けた具体的なアクションを支える土台となる、しっかりとした経済財政運営のための基本的な方針を示しています。

 

具体的には、今回の大震災が日本経済にもたらす影響を踏まえた上で、当面、短期、中長期というタイムスパンを区切り、今後、次のように進めていきます。

 

■ステップ1:当面~震災からの早期立ち直り
被災者支援や災害復旧等に最優先で取り組みます。同時に、自粛ムードの払しょくや生産設備・施設の再建、電力の需給対策、サプライチェーンの復旧・再構築、雇用対策、国内外の風評被害の防止などに政策を集中します。

 

■ステップ2:短期(今後3年程度)~自立的成長への土台づくり
本格的な復興とともに、電力制約への政策対応や災害に強いエネルギー供給体制の構築、日本ブランドの復活・強化、企業や人材の海外流出防止や海外からの人材等の流入確保、国内外の風評被害の克服等を通じた観光需要の回復等を推進します。
震災復興に必要な財源の確保や社会保障・税一体改革も実行に移します。

 

■ステップ3:中長期~持続可能な自律的成長の実現
安全・安定供給・効率・環境の要請に応える新たなエネルギー・環境構造、巨大リスクに備えた強じんな経済構造の実現などの取組を強化し、持続可能で自律的な成長を実現します。
さらに、社会保障・税一体改革を継続することにより、財政・社会保障の持続可能性を確固たるものにします。

 

こうしたタイムスパンに沿った経済財政運営を着実に実行することで、中長期的には、従来から想定していた3%程度の経済成長を目指します。財政についても、震災復興の財源確保、社会保障・税一体改革などにより、財政健全化を着実に進めます。

 

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今後の政策対応(当面、短期、中長期)

 

(3)具体的なアクション①財政・社会保障の持続可能性確保

このような経済財政運営の土台の上に立って進められる、日本の再生に向けた具体的なアクション―
それは、震災で中断していた政策を単純に再開するものではなく、震災によって明らかになった日本の弱点を克服するとともに、信頼を回復し、世界との絆を強めていくような「質的な転換」を伴ったものであることが必要です。

 

こうした前提に立ち、「政策推進指針」では、具体的なアクションを2つの柱で進めることにしています。

 

1つ目の柱は、「財政・社会保障の持続可能性確保」。

 

具体的には、まず、社会保障と税制のあるべき姿を目指す「社会保障・税一体改革」について、集中検討会議の議論を進め、6月末までに改革案をとりまとめます。

 

また、日本の財政再建の基本戦略を示した財政運営戦略について、本年半ば頃には、当面3年間の予算編成方針を示す中期財政フレームを改訂して、財政健全化を着実に推進します。

 

(4)具体的なアクション②新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化

2つ目の柱は、「新たな成長に向けた国家戦略の再設計・再強化」。

具体的には、日本の成長力を高めるための戦略である「新成長戦略」を東日本大震災による影響を踏まえ、次のように見直します。

 

ⅰ)革新的エネルギー・環境戦略
今回の大震災が引き起こした原子力災害をきっかけに我が国の電力制約が重要課題となり、従来の環境・エネルギー戦略を見直す必要が出てきました。このため、今後は、安全・安定供給・効率・環境の要請に応える、「革新的エネルギー・環境戦略」を検討します。

 

ⅱ)空洞化防止・海外市場開拓戦略
震災や原子力災害によって、企業にとっての日本の魅力が低下したり、日本製品への風評被害や日本ブランドそのものの評判が低下することが心配されます。
そこで、海外市場をしっかりと開拓するため、サプライチェーンの復旧・再構築や風評被害の防止策などに加え、企業の立地競争力の強化、巨大リスクに備えた経済・産業構造の構築、未来を拓く戦略的・重点的イノベーションの推進などを検討します。

 

ⅲ)国と国の絆の強化に向けた戦略
日本の成長にとって、勃興著しいアジアや世界の成長エネルギーを取り込んでいくことが大切です。このため、昨年11月には「包括的経済連携に関する基本方針」を策定し、高いレベルの経済連携推進や経済安全保障の確立等に取り組んできました。
今後もこの考え方はしっかりと維持しつつ、震災を契機とした国と国との絆の強化に関する基本的考え方を検討します。

 

ⅳ)農林漁業再生戦略
東日本大震災は、農林漁業に大きな打撃を与えました。農林漁業を再生するため、まずは震災からの復旧・復興に全力を尽くします。
さらに、「食と農林漁業の再生実現会議」では、東日本の農林漁業の復興や日本の農水産物の信認回復という新たな課題に応える対応策を検討します。

 

(5)むすび

このような「政策推進指針」で示した方針を着実に実行に移していくため、5月から、成長戦略の司令塔である「新成長戦略実現会議」をはじめ、「FTAAP・EPAのための閣僚会合」など、様々な会議が続々と再スタートしています。

 

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新成長戦略会議(5月19日)に出席する菅総理

 

政府は、引き続き、被災者の皆様が少しでも早く元の生活に戻れるよう、被災地の復興が少しでも早く進むよう、震災からの復旧・復興を進めるとともに、「政策推進指針」で示した日本再生の取組を本格稼働させ、力強い日本を復活させるため、全力を挙げて組んでいきます。

 



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