2011年7月

07/31(日曜日)

《次の時代》(7):"皆の"参加が行方を決める

 

長野県茅野市で今日開かれた、第1回「みんなのエネルギー・環境会議」に出席して来ました。一昨日の"政府の"「エネルギー・環境会議」と同じ名称ですが、"みんなの"の方は、研究者、自治体の首長、政治家など多様な人達が参加していました。先月官邸で開いた「自然エネルギーに関する 総理・有識者オープン懇談会」に参加された4人の方々のうち3人が発起人として名を連ねており、大学の大教室で中味の濃い議論が繰り広げられました。

 

私は10分間のスピーチを行い、

  • 3.11の東電福島事故を体験して、原発に対する自分の基本的考え方が変わったこと
  • 政府の「エネルギー・環境会議」で、原発への依存度を低減させる方向での「中間とりまとめ」があり、いよいよ私の思いと合致した具体的政策形成の1歩が踏み出されたこと
  • 原子力行政の抜本改革の必要性

--などについて、話をしました。
 
特に、今の経産省原子力安全・保安院は、薬害エイズの時の厚生省薬務局と同様、国民の安全よりも企業の利益を時に優先しかねない体質を持っており、抜本的な改革が必要である、と述べました。
 
しがらみの無い立場で、原子力及び電力行政の抜本改革を進めるには、徹底した情報公開と、国民《1人1人》の厳しい監視の目が必要です。そして、エネルギー構造の転換には、《1軒1軒》の発電や節電への参加が現実に必要です。次の時代のエネルギーの形を決めるのは、今日の会議のタイトル通り、まさに「皆の」力なのです。一緒に前進しましょう。

 

07/27(水曜日)

社会保障・税一体改革 各論(2):年金制度改革

 

社会保障・税一体改革の成案に盛り込まれた個別制度の改革の内容をご紹介するシリーズ。今回は、年金制度の改革です。

 

年金制度の安心を高める!

「国民皆年金」の実現から、半世紀あまり。公的な年金制度は、皆さまの老後の生活を支えていくために、今や欠かせない存在となっています。65才以上の高齢者世帯について見ると、その収入全体の7割を年金が占め、また、年金のみの収入に頼って生活している世帯が6割となっています。

「高度成長期に築かれた我が国の社会保障制度が時代の要請に合わなくなってきている」という問題意識を7月11日の記事で述べました。年金制度についても、社会の変化に合わせて、国民の皆さま一人ひとりにとって安心できるものにしていく、ということが今回の改革の眼目です。

具体的には、

●高齢者の方々の最低限の生活を保障できる制度とすること(単身者や低所得の高齢者の増加に対応)
●国民の皆さまから信頼され、財政的にも安定した制度とすること
●新しい仕事への挑戦や女性の就労を妨げない制度とすること
という3点の実現を目指すものになっています。

 

「新しい年金制度」に向けて
今回の成案では、上記のような方向性に沿った「新しい年金制度」の骨格を示し、今後、国民的な議論を進めていくことが盛り込まれています。

具体的には、以下のような方向性が示されています。

●自営業者もサラリーマンも同じ制度に加入し、「所得が同じなら同じ保険料、同じ給付」となるようにする《所得比例年金》
●「高齢期に最低限これだけは受給できる」という具体額を明確にする《最低保障年金》

 

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「『あるべき社会保障』の実現に向けて(民主党「社会保障と税の抜本改革調査会」)」より
図1:新たな年金制度のイメージ

 

現在の年金制度をこのような「新しい年金制度」に抜本的に改めるためには、国民の皆さまの幅広い合意が必要であることはもちろんですが、新しい制度づくりそれ自体も、決して簡単な作業ではありません。

例えば、自営業者とサラリーマンが同じ制度に入るためには、現在検討を進めている「社会保障・税に関わる番号制度」の導入・定着や、税と社会保険料を一体的に徴収する体制の構築も必要となり、こうした環境の整備には一定の準備期間が必要です。

こうした点も考慮し、今回の改正案のうち「新しい年金制度」については、その骨格を示すだけにとどめ、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進めた上で、具体化を進めていくことが想定されています。

 

現行制度の改善
新しい年金制度の創設に向けた議論や環境整備と並行して、今回の成案では、改革の方向性に沿って、現行制度を改善することも盛り込まれています。今後さらに具体的な検討を重ね、来年以降速やかに法案を国会に提出し、順次実施していくこととしています。具体的対応の主な例は、以下のとおりです。

 

(1)非正規労働者の方々への厚生年金の適用拡大
年金制度を「働き方」に中立的な制度とし、各人の実質的な労働内容にふさわしい年金保障を受けられるようにするため、パートなど短時間労働者の方々も新たに厚生年金の適用対象とすることとしています。

現状では、正規労働と勤務内容は同じなのに、雇用契約の形態が違うというだけで、社会保険の枠組から排除されるということが生じています。このことが、社会全体の格差を増幅させ、将来の生活不安から結婚に踏み切れない未婚者を増やし、少子化の一因になっている、との指摘もあります。

社会全体で助け合う仕組みであるはずの社会保険制度がこうした問題を助長することがあってはならない- そうした問題意識に基づき、この問題は、菅総理からの指示(※)により、社会保障改革の最優先項目の一つに掲げられました。

(※)社会保障改革における「安心3本柱」について(平成23年5月23日総理指示)

 

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図2:非正規労働者への厚生年金適用拡大のイメージ

 

(2)年金の最低保障機能の強化
年金を受けていない、あるいは低額の年金にとどまる高齢者がおられることに対応し、低所得の高齢者の方々の年金受給額を増額するほか、年金を受給するために必要な期間(現行は25年)を短縮する、といった措置を検討しています。
なお、それに併せて、高所得の年金受給者の方々については、その年金額のうち、税金で賄われている部分の減額をお願いすることも提案しています。

(3)サラリーマンを対象とする年金制度の一元化
民間企業で働く方、公務員や教員などの職業毎に分かれている「被用者年金」を一元化し、保険料の水準や給付内容を統一していくこととしています。

(4)経済情勢に応じた給付額の調整(マクロ経済スライド)
年金制度では、若い世代が保険料を納め、高齢者が年金を受給しています。そのため、制度の長期的な安定を図るためには、将来まで見すえた我が国全体の人口構造の変化を踏まえて、「負担」と「給付」のバランスを取らならければなりません。例えば、保険料を支払う現役世代の賃金が下がったり、受給者の平均余命が長くなったりすれば、受給額を引き下げる調整が必要となります。
平成16年の制度改正により、経済情勢に応じて年金給付額を調整する仕組み(マクロ経済スライド)が導入されていますが、物価や賃金が下がる状況では、こうした給付の引下げがなされない制度となっています。制度の持続性と世代間の公平を確保する観点からは、こうした給付額調整の仕組みのあり方について、検討が必要です。(もちろん、賃金低下を招くような経済情勢を好転させ、デフレを脱却することが最重要であることは当然です。)

(5)年金の支給開始年齢の引き上げ
厚生年金の支給開始年齢は、現在、2025年までかけて、65歳に引き上げられることとなっています(女性は5年遅れ)が、諸外国を見ると、アメリカ、ドイツは67歳まで、イギリスは68歳まで、将来的に引き上げることを既に決めています。
我が国は世界最高水準の長寿国ですので、これらを参考に、高齢者の雇用の確保を図りながら、68~70歳へのさらなる引き上げを視野に、検討していくこととしています。

 

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図3:日本と諸外国の支給開始年齢

 

年金制度については、まだまだ様々な論点があります。また、記録問題への対応など、業務運営に関する諸問題も多く残されています。ここでご紹介した課題以外の問題も含め、国民の皆さまにとって安心でき、信頼できる制度となるよう、成案を基に、国民的な議論を深めていくことが求められています。

次回のこのシリーズでは、子ども・子育て分野について、詳述したいと思います。

 

07/26(火曜日)

第2次補正予算と、復興基本方針と

 

昨日、第2次補正予算が、国会で成立しました。内閣として、為すべき事は着々と進めています。「震災からの復旧・復興」、そして「原発事故の収束」という2大取り組みは、立ち止まることなく前進しています。

 

続いて今日は「復興対策本部」で、復興の基本方針について、事業規模や財政フレームの議論などを深めました。今月中には基本方針を取りまとめ、いよいよ本格復興のための第3次補正予算の議論につなげていきます。一部からは「遅い」という批判をいただきますが、冷静に見てもらえば、3月の震災発生後、第1次、第2次補正予算が順次成立し、次いで間もなく第3次補正予算のベースとなる基本方針が決まるなど、作業は着実に進んでいます。

 

辻元補佐官がよく唱えるのですが、予算配分や政策措置を要する対象は、建物などの《ハードの復興》だけではありません。被災されたお一人お一人の《心の復興》、分断された社会の《絆の復興》にも、取り組んでゆきます。政局よりも、政策。今は何よりも、被災者の皆さんのことを念頭に置いて、全力を傾けるべき時です。

 

07/25(月曜日)

NPO制度の画期的な制度見直し、遂に実現!

 

既にKAN-FULL TV第22話でご紹介しましたが、先月、NPO制度をより一層使いやすくするための画期的な制度見直しの法案が成立しました!

 

制度見直しの趣旨は、多様化する社会のニーズを人々の支え合い、地域の絆で充足していく社会づくりに向けて、その重要な担い手となるNPO法人が活動しやすい基盤を整えること。以下で詳しく説明しましょう。

 

NPO法人を取り巻く状況

「特定非営利活動法人」という言葉を聞くとほとんどの方は???と思われるかもしれませんが、「NPO」という言葉は、既に定着しているといえるのではないでしょうか。

 

阪神淡路大震災後のボランティア活動を支援する新たな制度として制定されたのが「特定非営利活動促進法」(NPO法)です。平成10年に制定され、制度発足から12年あまりを経て、いまや4万以上のNPO法人が存在しています。東日本大震災の復旧・復興にあたっても、多くのNPO法人が被災地で活躍されていることは、皆さんもご存じのとおりです。

 

福祉、教育・文化、まちづくり、子育て、環境、国際協力など、様々な分野でのNPO法人の活動を支援するため、一定の要件を満たしたNPO法人に税制上の優遇を行う制度を平成13年に設けました。これが「認定NPO法人」制度です。

 

しかし、認定要件が厳しいという声があり、全国で42,741あるNPO法人のうち、税制の優遇が受けられる「認定NPO法人」の数は、223法人と、全体の約0.5%にとどまっています(平成23年7月1日現在)。

 

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「平成22年度特定非営利活動法人の実態及び認定特定非営利活動法人制度の利用状況に関する調査」より
図1:認定要件の厳しさが認定申請のネックに

 

また、日本では、寄附総額がGDP比わずか0.11%であるなど、寄附文化が育っていないため、NPO法人の活動の資金面でのサポートが弱く、多くのNPO法人が財政難で困っているといわれます。

 

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総務省統計局、国税庁、AAFRC Giving USA2009、NCVO UK Voluntary Sector Almanac 2008より
図2:日・米・英の寄附総額と寄附支出比率

 

そこで、NPO法人を支援したい市民にとっても、NPO法人にとっても、より使いやすく、NPO法人の活動基盤をしっかりと支えられるような仕組みにすることが急務となり、今般の制度見直しに至ったものです。

 

見直しの具体的な内容

今回の制度の見直しのポイントは以下のとおりです。

 

(1)税制上の優遇が受けられる「認定NPO法人」の対象を広げる(=NPO法人が寄附を集めやすくする仕組み)

 

認定NPO法人として認められるためには、「市民から広く支持を受けている」ことが認定要件の一つとなっていますが、その判断基準を緩和します※1。また、活動実績が少ない法人でも税優遇が受けられるよう、設立5年未満の法人には、要件を緩和した仮認定制度を導入します※2

 

※1:従来は「寄附金が総収入に占める割合が1/5」であることを要件としていたが、新たに「各事業年度に3,000円以上の寄附を平均100人以上から受けること」という絶対値基準を設け、どちらかを満たせばよいこととした。また、事務所所在地の自治体の条例で個別指定を受けた場合には、要件を免除することとした。
※2:平成24年4月1日から3年間は、設立後5年以上の法人も仮認定を受けられることとしている。

 

(2)市民が寄附をしやすくなるよう、税制上の優遇措置を拡大する(=市民の側が寄附をしやすくする仕組み)

 

所得税の軽減制度を大幅に拡充し、少額の寄附でも相当程度の税金の軽減を受けることができるようにします。新たな制度のもとでは、認定NPO法人等※3に2000円以上の寄附をすると、その超えた分の寄附金額の最大半分が所得税や住民税から減額されることになります。

 

※3:ⅰ)認定NPO法人と同様の基準を充たした公益社団・財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、ⅱ)都道府県・市町村が条例で個別に指定したNPO法人も含まれる

 

(3)NPO法人関連事務を身近な自治体に移管
認定事務を国税庁から地方自治体に移管するなど、自治体の役割を強化し、自治体とNPO法人の協働しやすい環境を整えます。

 

これらの見直しのうち、(1)は本年6月30日から施行されており(仮認定制度の導入は、来年4月1日からとなります)、(2)については平成23年分から適用されます。また、(3)は来年4月1日から施行されます。

 

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図3:改正のポイント

 

社会を良くしたいという市民の想いを後押ししたい!

被災地でも、住宅の片付けやガレキの撤去、医療支援、被災された方の心のケア、などに大活躍されているNPO法人の数々。今後、「新しい公共」の担い手としてもその存在感は増してくるに違いありません。NPO法人の今後の活動の広がりには、期待は大きく広がります。
こうした公的サービスにも参加するNPO活動をあなたも応援してみませんか?
自らはボランティア活動に参加できなくても、寄附をすることは「当事者」としてそうした活動に参加することに他なりません。日本に「寄附文化」を発展させ、市民の皆さんが社会を良くしたいという想いを後押しする今回の制度改正。ぜひとも活用ください!

 

07/25(月曜日)

菅内閣の一週間(7月18日~7月24日)

 

19日に原子力災害対策本部を開催し、担当大臣から原発事故収束に向けた工程表「ステップ1」の目標が達成された旨の報告がありました。同日、牛肉から暫定規制値を超える放射性物質が検出された事態を受け、福島県に対し出荷制限に関する指示を行いました。21日、原発の新たな安全性評価の仕組として、原子力安全・保安院が策定した評価基準と実施計画について原子力安全委員会の了承を得ました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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07/22(金曜日)

安全を《誰が》チェックするのか、が肝心。

 

昨日、原発の安全チェックの仕組みが、具体的に大きく前進しました。総合的な安全評価(いわゆるストレステスト)の手法と実施計画が、原子力安全・保安院によって策定され、その報告を受けたのです。

 

今回の件では、「ストレステストの必要性についての私の指示が遅かった」ことで、関係者に大変ご迷惑をおかけしました。しかし、ことの本質は、「原発を推し進めてきた経産省に属する保安院だけで、原発の稼働再開に関する安全基準を決め、自ら判断する、というやり方で良いのか」という点にあります。《段取りの問題》は反省しますが、《仕組みの問題》はより重要です。

 

近い将来、抜本的な安全基準や体制の見直しが必要ですが、それが出来上がるまで手をこまねいているわけにはいきません。当面は、保安院だけでなく、独立機関である原子力安全委員会にも関与してもらいながら、現実の安全チェックを進めてゆかねばなりません。

 

実際、昨日の実施計画決定までには、【安全委員会からの要請(今月6日)⇒保安院による計画案提出⇒安全委員会からの強化指示⇒保安院による修正⇒安全委員会が妥当と確認(昨日)】という経緯がありました。あまり報じられていませんが、「保安院だけで決めて良いのか」という問題の核心は、制度的変更を待たず、事実においてクリアされつつある状態です。

 

さらに、安全基準は事前に公開することで、多方面の専門家の目によるチェックも働くようにされました。今後は、この安全評価の実施計画を地元自治体に説明し、その後、電力事業者に実施を指示することになります。

 

そして、1~2ヶ月を要する評価の結果については、電力事業者からの報告を受けて、まず保安院が、次にここでも安全委員会が、その妥当性を確認するという手続きを踏みます。こうした複数の機関の専門家の判断を受けた上で、私を含む4閣僚で協議し、地元の意見も聞いて、最終判断を行うことになります。

 

手間はかかりますが、これは必要な手続きです。国民の安全、安心のために。

 

07/22(金曜日)

第25話【原発】事故収束、第2ステップへ 作業を担う人たちと総理の対話

 

政府・東電の「工程表」は、目標通りステップ1が達成されました。それを実現して下さった現場の作業の皆さんに、直接会いに行った総理。感謝と激励と、ニーズの聴取に努め、一丸となってステップ2に臨みます。

 

≫スマートフォン等で動画が表示されない場合はこちら からご覧ください。
≫携帯の方はこちらから動画をご覧ください。

 

<7月16日 東電福島第一原発の事故収束作業従事者の拠点「Jヴィレッジ」にて>

<自衛隊員の皆さんを激励>
総理:皆さんの犠牲的な精神で、頑張っていただいた結果、その形が《ここまで来た》のだと、こう思っております。

 

<7月19日 第17回原子力災害対策本部>

総理:《ステップ1の終了》の時期に、ちょうどなりましたので、こういう形で(会合を)開かせていただきました。

 

月1回更新される、福島第一原発の事故収束に向けた工程表(ロードマップ)
今、どの段階にいるのかを示すマークは、毎月着実に右へ移動して、今月17日ついに"ステップ1"達成まで漕ぎ着けました。原子炉の『安定的な冷却』が、達成されたのです。

この工程表の実現を、身体を張って担っているのが、現場で作業にあたる皆さん。
その拠点に使われている「Jヴィレッジ」という施設を、総理は既に2回、激励で訪問しています。1度目は、事故発生から3週間後。

 

<4月2日 最初の「Jヴィレッジ」訪問>

自衛隊員A:テントが3つあります。それぞれが除染所ということで。

 

総理:ここは自衛隊が1系列と、あと東電が...

 

自衛隊員B:2系列。かなり高いレベルで、除染することが出来ます。

 

<インターネットを使ったテレビ会議について説明を受ける>
東電職員:今は8元中継。ずっとつけっぱなしです。夜でも何かあれば、ここで。

 

<常に、東電本店・福島第一原発・福島県庁などと中継が繋がっており、テレビモニターには各中継先の映像が映されている。>

 

<各中継先に向けてメッセージ>
総理:本当にご苦労頂いてますけども、何としてもこの福島原発をコントロールできるように...

 

と、檄を飛ばしてから3カ月。

 

<7月19日 第17回原子力災害対策本部>

総理:ステップ1に関して、ここまで物事が進んだのは、やはり何と言っても、現場で本当に頑張っておられる皆さん---私も2度目になりますが、この土曜日に行ってまいりましたけれども、そういった皆さんの努力だと、このように思っております。

 

<7月16日 「Jヴィレッジ」を再訪>

<自衛隊員の皆さんを激励>
総理:「しっかりした日本というものを立て直した」と、「その最前線で皆さんが戦いきった」という、そういう結果を是非、出していただきたい。

 

事故当日から陣頭指揮を執り続けている、福島第一原発の吉田所長とも、ここで再び対面。その途中...

 

吉田所長:あ、地震だ! これが怖いんですよね。

 

総理:余震が恐いですね。

 

そして今、《余震》とともに作業を邪魔する、もう1つの自然現象が...

 

吉田所長:この《暑さ》でございますので、今日も3000人くらいの人が現場で働いておりますので、《熱中症》とケガの防止と。

 

現場で作業する皆さんも、口々に総理に直訴しました。

 

医療担当者:あれ(防護スーツ)は、こういった(今いる室内のような)涼しい環境で、あれを着て少し動いただけでも、汗だくになるくらいの本当に過酷なもので...

 

作業従事者1:今、皆(涼しいうちに)早出をしてやっているんですよ。朝4時に出勤して。ほとんどが皆、早出をしています。

 

作業従事者2:(放射線量の)検査に行く時間も結構(かかる)し、人数も多いものですから...

 

作業従事者1:この近辺に検診センターみたいなものが設立されると、非常に助かりますね。

 

総理:政府としても、やれることは何でもやるという覚悟で対応していきますので、よろしくお願いします。

 

<膝詰めの対話を終え、立ち上がって作業者の皆さんと握手する総理>

これから、現場の皆さんは次なる目標="ステップ2"へ。
放射線被害の拡大防止をさらに進め、今後3~6カ月以内に、原子炉を安定的に停止させる『冷温停止状態』の実現を目指して、懸命の作業を続けます。

 

07/21(木曜日)

原発事故収束「ステップ1」達成とこれから

 

昨日、東日本大震災の被災地全域の復興に関わる第2次補正予算案が、衆議院を通過しました。速やかに成立し、被災地の皆さんのお役に立てるようになることを、願っています。

 

それに先立つ一昨日(19日)夕刻には、原子力災害対策本部の会合を開き、東電福島第一原発事故の収束に向けた工程表「ステップ1」の目標が達成された旨の報告を、海江田大臣、細野大臣から受けました。

 

事故発生から4ヶ月あまり。国の総力を挙げた収束に向けての取組は、着実に前進しています。細かなトラブル続きでご心配をかけた原子炉の循環注水冷却システムも動き始め、格納容器への窒素封入により、万が一の水素爆発のリスクも抑えることができました。大気中への放射線の放出量も、事故直後と比べると推定200万分の1になり、確実に減少しています。

 

今でも、しばしば、事故直後の日々のことを思い起こします。日本はどうなってしまうのだろうか、という張りつめた緊迫感と、背筋が寒くなるような感覚。次から次へと訪れる深刻な局面で、即座に下さねばならない一つ一つの判断。あの時の状況を思えば、「よくぞここまで来た」というのが偽らざる実感ですが、これは誰よりも、事故現場で作業されている何千人もの方々をはじめとする関係者の献身的な御努力のたまものです。先日のブログでも申し上げましたが、改めて感謝の気持ちと、今後とも無事で頑張っていただきたいという願いを新たにしています。

 

この先の「ステップ2」も、今まで以上に政府一丸となって取り組んでいかなければなりません。また、放射性物質に汚染された牛肉の流通を契機に、《食の安全》への不安感も広がっています。出荷停止措置や必要な検査の徹底により、省庁の縦割りの隙間に問題が落ちることのないように目を光らせ、問題がある食品は流通させない体制を確実にします。

 

一昨日の対策本部の席上、私は「決してこれから先もなだらかな道ではないということを、お互いに覚悟しながら、更なる努力を」と出席者全員に呼びかけました。未だ避難されている方々の帰宅問題をはじめとして、原発事故との戦いは、まだまだ続きます。

 

07/19(火曜日)

読んで下さい! 東日本復興構想会議の提言

 

先月25日、東日本大震災復興構想会議の提言がとりまとめられ、五百旗頭(いおきべ)議長から菅総理に手交されました。提言は、4月14日の第1回会合から計12回、日によっては5時間を超える委員の間での濃密な議論の末、とりまとめられたものです。もうお読みいただけましたか?

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写真1:五百旗頭(いおきべ)議長から菅総理への提言書の手交

 

今般の大震災は、被災地の方々に大きな被害をもたらしただけではありません。すべての日本人にとって、これまで依拠してきた価値観を根本から変えてしまうような出来事でした。提言は、「つなぐ」という言葉をキーワードに、助け合いの重要性をうたっています。被災地とそれ以外の地域、今の世代と将来の世代を「つなぐ」ことを通じて、被災地の復旧・復興は、この世界に生きるすべての同時代人にとっての課題として意識されることになる、と論じています。

 

提言作りを支えた委員の方々の情熱と真剣勝負

この提言を作り上げたのは、何よりも、委員の方々の情熱です。「発言が聞き入れられないのなら、委員を辞める」とまで表明された方もいらっしゃったと伺います。現場で悩み、途方に暮れる被災地の方々とこの会議をつなごうとする熱い思いを持った委員の方々が、それぞれの真摯な想いを正面からぶつけ合いながら、最終的には1つの提言をまとめあげていく作業は、全く予定調和的ではなく、毎回が「真剣勝負」そのものでした。

 

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写真2:復興構想会議での議論の様子

 

「悲惨の中の希望」~ 提言の概要

破壊は前ぶれもなくやってきた。平成23年3月11日午後2時46分のこと。大地はゆれ、海はうねり、人々は逃げまどった ・・・ 一瞬の恐怖が去った後に、収束の機をもたぬ恐怖が訪れる。かつてない事態の発生だ。かくてこの国の「戦後」をずっと支えていた"何か"が音をたてて崩れ落ちた・・・

 

こうした前文から提言は始まり、続く本論の中で、被災地と日本が抱える様々な課題と今後の取組の方向性を列記しています。

 

今回の災害を踏まえた地域づくりとコミュニティ再生の考え方、地域経済や産業のあり方を含めたくらしの再生に向けた青写真、原子力災害からの復興に向けた取組と課題、そして「開かれた復興」の考え方を順に、包括的でありながら、それぞれを具体的に分かりやすく、語っていきます。

 

提言の指摘する大きなポイントを具体的に見ていきましょう。

 

【その1】巨大津波災害には、災害時の被害を最小化する「減災」の考え方が重要。

 

今回の地震は、我々が当然のように思っていた防災に対する意識を大きく変えました。今回のような巨大津波に対して、防波堤や防潮堤など最前線のみで防御することはできません。被災したとしても、人命を守り、経済的被害を極力少なくし、被害を最小化する「減災」の考え方が重要だと提言は指摘します。そして、「逃げる」ことを基本とする防災教育など、ソフト面での対策を重視しつつ、避難のためのハード整備、土地利用規制などの各種施策を総動員することが重要だとしています。

 

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図1:津波防災地域・まちづくりに関連する施策のイメージ

 

【その2】被災地は地形、産業などの状況が多様。代表的な5つの地域モデルごとに復興施策の要点を提示。

 

以下のように、5つの類型毎に、進めるべき復興施策の要点を示しています。

 

<類型1>平地に都市機能が存在し、ほとんどが被災した地域
 →高台移転を目標とするが、水産業など産業活動の必要から平地の活用も必要。

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<類型2>平地の市街地が被災し、高台の市街地は被災を逃れた地域
 →高台市街地への集約・有効活用が第一だが、すべての移転は困難で、平地の安全性を向上させた上での活用が必要。

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<類型3>斜面が海岸に迫り、平地の少ない市街地及び集落
 →住居などの高台移転が基本。平地は産業機能のみを立地させ、住居の建築を制限する土地利用規制を導入。

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<類型4>海岸平野部
 →海岸部の巨大防潮堤の整備ではなく、新たに海岸部および内陸部での堤防整備(二線堤機能)と土地利用規制とを組み合わせ。

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<類型5>内陸部や、液状化による被害が生じた地域
 →被災した住宅・宅地に「再度災害防止対策」を推進するとともに、宅地の復旧等のための支援を推進。

 

【その3】市町村の能力を最大限に引き出せるよう、区域・期間を限定した上で「特区」手法を活用すべき。

 

例えば、地域経済や雇用の観点から重要な「水産業」については、漁業者が主体的に民間企業と連携し、民間の資金と知恵を活用することも、漁業の再生には有効であることから、地域の理解を基礎としつつ、地元漁業者主体の法人が漁協に劣後せずに漁業権を取得できる仕組みとするため、特区を活用することを提言しています。
また、復興のために必要な各種施策が展開できる、使い勝手の良い自由度の高い交付金の仕組みも必要としています。

 

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図2:「特区」手法のイメージ

 

【その4】復旧・復興財源は、次の世代に負担を先送りせず、臨時増税措置として基幹税を中心に多角的に検討すべき。

 

復興のための財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯し、負担の分かち合いにより確保すべきとしています。その上で、復興需要が高まる間の臨時増税措置として、基幹税を中心に多角的な検討を速やかに行い、具体的な措置を講ずるべきとしています。

 

【その5】国が責任を持って、一刻も早く原発事故を収束させるべき。

 

原子力災害については、国が責任をもって、一刻も早く原発事故を収束させるべく、今般の原因究明とその妥当性の検証等を国際的な信任を得られるように徹底的に行うとともに、正確な情報発信と継続的な情報開示によって、福島県民や日本国民全体に安心と信頼を与え、日本に対する国際的な信頼感を回復させるべきとしています。

 

日本産の食品・物品に対する科学的根拠に基づいた対応を要請

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写真3:日中韓サミット(5月21日~22日)

 

【その6】「開かれた復興」であることが大事

 

被災地の復興が被災地にとどまらず、被災地の創造的な営みが日本全国に、さらには世界各国に広がっていく。そうした「開かれた復興」であるべきことが提起されています。
例えば、世界の先駆けとなるような持続可能な環境先進地域を東北に実現することで、日本が環境問題解決のトップランナーたることで、成熟した先進国家の災害からの復興過程のモデルとなるべきことなどを指摘しています。

 

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図3:持続可能な環境先進地域のイメージ(スマートコミュニティ)

 

1文字、1行ともおろそかにせず、提言を実行に移す

・・・この「提言」は、「悲惨」のなかにある被災地の人々と心を一つにし、全国民的な連帯と支えあいのもとで、被災地に「希望」のあかりをともすことを願って、構想されたものである。政府が、この「提言」を真摯に受け止め、誠実に、すみやかに実行することを強く求める。

 

提言は上記の2文で締めくくられています。政府として、提言の内容の実現に全力を尽くしてまいります。

 

07/19(火曜日)

菅内閣の一週間(7月11日~7月17日)

 

11日に今般の事故を踏まえた原子力発電所の安全性確認のあり方について内閣の考え方をまとめるとともに、13日に総理が記者会見を行い、震災の復旧・復興の取組状況と今後のエネルギー政策の方向性について基本的な考えを表明しました。
また、16日には福島県を訪問し、原発事故の収束にあたる職員を激励するとともに、被災された地元自治体の首長等の方々と意見交換を行いました。さらに、新成長戦略実現会議、社会保障に関する集中検討会議、食と農林漁業の再生実現会議などを相次いで開催し、議論を行いました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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07/18(月曜日)

素晴らしい!

 

本当に、うれしい。なでしこジャパンが、優勝しました。

 

今回の女子サッカーW杯優勝は、日本国民に、そして被災地の皆さんに、最高の贈り物です。澤選手をはじめ、あたらめて日本女性の精神力の強さを感じます。

 

外国選手に対して、比較的小柄な日本選手たち。一歩も引かないプレーで接戦に持ち込み、劣勢になっても最後まであきらめないで頑張りぬく、なでしこジャパンの闘いは、皆に勇気を与えてくれました。

 

私の代わりに、強烈なサッカーファンであるスポーツ担当の鈴木寛文科副大臣が、政府を代表してフランクフルトに応援に行きました。なでしこチームは、明日帰国して、官邸に来てくれることになっています。素晴らしい結果を出してくれたことに、心から、おめでとうとありがとうを伝えます。

 

07/17(日曜日)

原発事故現場で作業される皆さんとの対話

 

昨日、原発事故の収束作業に携わっている方々からお話を伺うためと、原発周辺で避難している自治体の市町村長さん達などとの話し合いのため、福島を訪ねました。

 

原発事故現場では、東電社員だけでなく関連企業やゼネコン関係者など、何千人もの人が作業にあたっています。現場の皆さんの献身的な努力には、頭が下がります。おかげで収束作業はかなり進み、ステップ1の工程がほぼ予定通り終わって、明後日(19日)にはステップ2に移ることができる見込みです。

 

約30分の対話では、まず私の方から、「かなりのところまで原子炉が抑えられつつあるのは、皆さんの献身的な働きのお陰だと、本当に心から感謝しています。皆さんの力で、日本が救われていると思っています」とお礼を申し上げました。こうして直接対面して、感謝の気持ちをお伝えする機会を持てて、本当に良かったと思います。もちろん、作業環境の改善など、政府として出来る限りの努力を続けることもお約束しました。

 

その作業環境については、一番の心配事は熱中症だという話を、この席であらためて伺いました。放射線防護服で体温が上がってしまうので、朝の非常に早い時間から作業を始め、日中の暑い時間は休養に充てざるを得ないといいます。現場に行く人達の健康管理を担当している医療関係者から、バックアップ体制の強化について要請も受けました。しっかり対応します。

 

また、原発周辺の12の自治体の首長、議長さんとの話し合いも、有意義でした。できるだけ早くもとの所に帰りたい、という強い要望を、あらためて伺いました。全力を尽くします。

 

原発事故を巡っては、このような《目の前》の課題に1つ1つ対応しながら、同時に原子力エネルギーの《長期的》あり方を決めてゆかねばならない、という遠近両にらみの対応が急務です。後者の観点から、私は4日前の記者会見で、「脱・原発依存」を指し示しました。政府方針決定の前に私個人の考え方を明かしたことを批判する声も聞きますが、まずトップが方向性を示すのは、当然のことです。

 

一昨年、オバマ大統領はプラハでの演説で、「核兵器の無い世界を追求する」と、《将来の世界が目指すべき方向》について大統領の考えを述べられました。同様に私が「原発が無くてもやっていける社会を目指す」と言明したのも、《将来の日本が目指すべき方向》について総理大臣の考えを述べたものです。

 

私は、3月11日の事故を受けて、原発政策を含むエネルギー政策全般を、内閣としても党としても本格的に議論することが必要だと考えて来ました。今回の発言以降、その是非をめぐる議論が多方面で活発化していることを、歓迎します。今こそ、大いに論じ合うべきです。

 

07/14(木曜日)

《次の時代》(6):原発に依存しない社会へ

 

昨日の記者会見で、私は「原発に依存しない社会をめざす。段階的に原発依存度を下げ、将来は原発が無くてもやっていける社会を実現する。」という基本的な考えを表明しました。

 

3月11日の震災、原発事故を体験して、私自身、原発に対する考え方が変わったことも、率直に会見で述べました。それまでは、「安全性に十分注意を払って原発を活用する」という考えでした。しかし、震災発生からの1週間、官邸に泊まり込んで事態の収拾に当たっている間、私は原発被害の拡大をどうやって抑えるか、本当に背筋の寒くなるような毎日でした。原発事故は、今回のように一旦拡大すると、広範囲の避難と長期間の影響が避けられません。事故のリスクの大きさを考えると、原発に依存しない社会を目指すべきである、と考えるに至りました。

 

昨日の記者会見の発言に対して、具体的な道筋が明確でないといった疑問も呈されていますが、官邸サイトに寄せられる御意見メールやツイッターなどでは、発言を支持するとの大きな反響をいただいています。まずはこうして方向性を明確にすることが大切で、これから具体的な道筋の本格的議論が必要だと考えています。

 

その"具体的な道筋"の重要な1歩である再生可能エネルギー特措法案が、いよいよ今日から国会で審議入りしました。何としても、成立させていただきたいと思います。更にその先の長期的な道筋についても、既に「エネルギー・環境会議」が先月下旬に始動し、国家戦略担当相を議長として、革新的なエネルギー戦略の策定を目指しています。

 

また、「エネルギー・環境会議」では、今月末頃を目途に「当面の電力需給の安定」に関する考え方も示す、と今日、玄葉大臣が国会答弁で明言しました。---原発が無くてもやっていける《次の時代》へと、如何に混乱なく移行してゆくか。具体化の作業は、1歩1歩進んでいます。

 

07/14(木曜日)

社会保障・税一体改革 各論(1):医療・介護分野の改革

 

前回のこのコーナーでは、この社会保障・税一体改革の背景と改革案の全体像のポイントを御紹介させていただきました。

 

今回は、この成案に盛り込まれた医療・介護分野についての改革案を御紹介したいと思います。

 

日常に必要な医療・介護は日常の生活圏で

 

まず、医療・介護サービスの現状について、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

 

例えば、救急車を呼んだのになかなか搬送先が決まらなかったとか、高齢の方を自宅で介護しようと思っても、家族だけでは、なかなか続けていくことが難しく、支援してくれるところが必要だ、といった話を聞かれることがあるかもしれません。

 

こうした現状を改善するため、「日常生活に必要な医療・介護は日常の生活圏で」との考え方で、おおむね1つの小学校や中学校が所在する地域ごとで、日常に必要な医療・介護サービスが継続して提供される体制を構築することを、今回の改革案の柱としています。

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図1:地域包括ケア(イメージ図)

 

これにより、万が一の時には、すぐに適切な病院で診療を受けることができ、また、家族で在宅介護を行う場合に、ヘルパー等の必要な支援を円滑に受けることができるようになります。

 

病院の役割分担と機能の強化

 

また、病院での医療サービスは、患者の方々の状態に、より適したものでなければなりません。

 

例えば、交通事故などによる大けがや脳卒中などの病気で緊急の治療が必要な患者の方に対しては、医師や看護師が中心となって、様々な設備の整った病院で手術などを集中的に行うことが必要です。

 

一方で、大けがや病気からある程度回復して、日常生活に復帰するためのリハビリを行う患者の方々には、リハビリを手伝う理学療法士といった方々によるケアが必要となる場合もありますし、慢性期の病気の方に対しては、治療よりも日常の生活のケアが必要な場合もあります。

 

このため、今回の改革案では、病院の役割分担をより明確にし、患者の方々がそれぞれの状態に応じて適切なサービスを受けられるような体制を構築することも目的としています。

 

「施設」から「地域」へ、「医療」から「介護」へ

 

日本では、諸外国と比較して、病院のベッド数が多い一方で、ベッド当たりの医師や看護師等の職員数が少なく、平均の入院日数が長くなっている、といった課題があると言われています。

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図2:急性期医療の平均在院日数(1995-2008)

 

こうしたことから、病院の役割分担の明確化を進め、救急医療などの分野に資源を集中的に投入しつつ、リハビリや慢性期医療も強化しながら、在宅医療の充実を進めることで、患者の方々の状態が回復し、できるだけ早く退院をして住み慣れた地域で日常生活に復帰していける体制づくりを進めていくことが重要です。

 

そのため、今回の改革案では、『「施設」から「地域」へ、「医療」から「介護」へ』との考え方の下に、医療機関や介護サービスなどの適切な連携により、患者の方々に対して入院からリハビリ、地域での介護などといった切れ目のないサービスを提供する体制(地域包括ケア)を整備していくこととしています。

 

安心して生活できる社会を支える保険制度の強化

 

日本では、医療や介護を利用する場合には、国民の皆様がいずれかの保険制度に加入いただき、その費用の一部を負担するだけでその他の費用は保険料や税金で賄う制度を採用しています。

 

この保険制度についても、以下のような問題点が指摘されています。

・ 最近、サラリーマンを対象とする医療保険(被用者保険)に加入できないパートなどの非正規雇用の方々が増加していること(図3)。

・ がん治療などの先進的な医療の発達によって個人の方の医療費負担が増大していること(図4)。

・ 高齢者の医療費を、社会全体で支え合う仕組みの中で、現役世代の方々の負担が増大していること(図5)。

・ 収入が少ないことにより保険料を負担できない方々が増加しており(図4)、保険制度の財政運営も悪化していること。

・ 介護サービスの利用の増大に伴い、介護保険の保険料負担が増大していること(図6)。

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図3:非正規労働者の増加

 

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図4:国民健康保険の現状(医療費負担の増大、滞納世帯の増加)

 

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図5:高齢者医療の現状(増大する現役世代の負担)

 

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図6:65歳以上が支払う介護保険料〔全国平均(月額・加重平均)〕

 

こうしたことから、今回の改革案では、被用者保険の対象者の拡大や、高額な医療を受けた場合の負担の軽減、高齢者医療制度の見直し、医療保険の財政基盤の強化、費用負担能力に応じた介護保険の負担の見直しといった施策に取り組むこととしています。

 

医療・介護制度の効率的な運営

 

言うまでもなく、現在、国や保険者の財政は大変厳しい状況です。医療・介護の保険制度は国民の皆様からの保険料や税金によって賄われているものですから、できる限り効率的に運営をして、今後の国民負担の増加をできる限り抑えていかなければなりません。

 

こうした観点から、生活習慣病の予防やリハビリなどの介護・重度化予防に積極的に取り組むことにより、国民の皆様の健康を維持し、結果として必要となる医療・介護の費用を抑えることも重要な取組です。

 

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図7:市町村の予防事業の効果の例

 

このような予防事業の他にも、ICT(情報通信技術)の活用による業務の効率化や、特に必要もなく多くの病院を受診したり、飲み残してしまうぐらい多量の薬を処方してもらったり、といったことを無くして、患者の方々が必要な時に適切に病院を利用していただくことも重要です。

 

こうした取組により、保険制度の健全な運営を確保していくことも重要な改革の柱となっています。

 

07/13(水曜日)

第24話【転換】新しい時代をひらく!再生可能エネルギー促進法案

 

いよいよ14日から審議入りの再生可能エネルギー促進法案。そもそも、この法律で日本社会のエネルギーの《形》がどう変るのか?基本の基本を解説します。

 

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<6月15日 「エネシフ・ナウ!」集会にて>

<女優 松田美由紀さん>
松田さん:これを変えられるのは、今、総理しかいません。本当によろしくお願いします。(会場から拍手)

<総理に、今国会で再生可能エネルギー促進法成立を求める要望書が手渡される>

 

<5月25日 OECD 50周年記念式典 フランス・パリ>

総理:議長、日本はこれから、エネルギー基本計画を基本的に見直し、新たな挑戦を開始いたします!

 

今年5月、総理が国際的な舞台で宣言した、"新たな挑戦"。

 

総理:(発電電力量に占める)自然エネルギーの割合を2020年代の出来るだけ早い時期に、少なくとも20%、それを超える水準となるよう大胆な技術革新に取り組みます!!

 

現在、水力発電を除く再生可能エネルギーの発電量は、全体のわずか1%。
その比率を大きく拡大させる起爆剤が、再生可能エネルギー促進法案です。

 

 《発電電力量の内訳》(2007年度実績)
     天然ガス  2,822億kWh(28%)
     原子力   2,638億kWh(26%)
     石 炭   2,605億kWh(25%)
     石 油   1,356億kWh(13%)
     水 力     784億kWh( 8%)
   再生可能エネルギー 100億kWh( 1%)
    (水力を除く)
   引用:経済産業省『2030年のエネルギー需給の姿』より

 

かつて、電力といえば遠くの大きな発電所から送られてくる、というのが当たり前でした。
今では、太陽光パネルなどによる自家発電も技術的には可能になりましたが、まだまだ設置コストも高く、安定性もなく、普及はしていません。
そこで、この新しい法案は、自家発電分を電力会社が固定した価格で買い取ります。これなら、安心して自家発電を行う家庭なども増え、太陽光パネルなどの量産や研究も進み、大幅にコストも下がり、安定性も増すことが期待されます。
そうなれば、原子力発電などに頼る部分は現実的に減らしていける。
まさに国民参加型のエネルギー改革の入り口となります!

 

<6月15日 「エネシフ・ナウ!」集会>

<NPO法人 気候ネットワーク 桃井貴子さん>
桃井さん:この法律、実は何十年も前から私たち市民が非常に強く待ち望んでいた法律でした。

 

<歌手 加藤登紀子さん>
加藤さん:心から成立を祈っております。

 

再生可能エネルギーへの転換を求める市民集会『エネシフ・ナウ!』。
著名人から国会議員までが参加するこの会合で、総理は...

 

総理:「もう化石(燃料発電)しかないんだ」「いや、もう原子力しかないんだ」という選択ではなくて、『じゃあ、どっちを選びますか?』という《選択肢を作る》ことが専門家やあるいは政治家の仕事ではないか。まずは《選択肢を育てる》、その一歩になるこの法案だけは、私も何としても通したい!

 

1980年、政治家・菅直人が初当選した選挙の時の政策資料には、こんな記述が...

 

<政策資料より>
原発には、依然として危険がつきまとっています。自然界に存在する太陽・風力・地熱などの再生可能なエネルギーの開発を促進するべきです。

 

<オープン懇談会>

そして今、総理がインターネット上で行っているオープン懇談会。
ここでも、エネルギー政策について、様々な有識者の方々と意見交換をしています。

 

<サッカー日本代表 岡田武史 前監督――首相官邸で>
岡田さん:『自然は子孫から借りているもの』。借りているものは壊したり、汚したり、傷つけちゃいけない。

 

<ミュージシャン 坂本龍一さん――ビデオで>
坂本さん:もう技術は出揃っているわけですから、今はただやってないだけですね。やれば、必ず出来ます。

 

<映画監督 宮崎駿さん――携帯動画で>
宮崎さん:自然エネルギー法案をぜひ通して下さい。辞めようが辞めまいが、とにかく言いたいことどんどんやって、どんどん国民に訴えて下さい。

 

総理:この課題は、もちろん総理という立場での責任でやらなければいけないことであると同時に、ある意味で、生きている限り、しっかり取り組んでいきたいと思っています。今日はありがとうございました。

 

07/12(火曜日)

ストレステスト導入の背景にある、問題の本質

 

大震災発生から、昨日で4か月。この間、復旧・復興と原発事故への対応に、私なりに全力を挙げてきました。しかし、私の言動について、なかなか真意をうまくお伝えすることができません。総理という立場を意識しすぎて、個人的な思いを伝えきれていないことを、反省しています。

 

今回の各原発へのストレステスト導入をめぐっては、昨日、内閣としての統一見解をまとめました。私としては、《国民の皆さんが納得できるルール作り》を指示し、その方向でまとめることが出来たと思っております。決して思いつきではなく、《安全と安心》の観点から、辿り着いた結論です。

 

原子力安全・保安院が経産省の中に存在して、"推進"と"チェック"を同じ所が担っているという矛盾は、早く解決せねばなりません。これは、既にIAEAという国際的な機関への報告書の中でも言明しており、今になって急に言い出したことではありません。この考え方に立てば当然、各原発の再稼働の判断等を、現行の保安院だけに担わせることはできません。現行法制上はそうなっていても、現実として、独立機関である原子力安全委員会を関わらせるべきだ、というのが、今回の政策決定の土台です。この決定と並行して、問題の本筋である原子力規制行政の《形》の見直しも、既に検討作業に入っています。

 

一方で政府としては、当面の電力供給に責任を持つ、という、もう一つの《安心》も確保しなければなりません。そのために今、企業の自家発電の更なる活用や、節電対策の工夫など、電力供給の確保策についても、近日中に具体的方針を示せるよう、検討を指示しています。

 

従来のエネルギー計画を白紙から見直し、中長期的に再生可能エネルギー導入と省エネルギーを促進し、原発への依存から脱却してゆく―――この明確な"決意"を、1日1日の中でどこまで"形"に置き換えていけるか。今日も全力で取り組みます。

 

07/11(月曜日)

社会保障・税一体改革 成案まとまる!

 

去る6月30日、社会保障・税一体改革の成案が政府・与党の本部でまとまり、翌7月1日の閣議に報告されました。

 

これから、この案をベースに与野党間の協議が進められることが期待されるところですが、今回の「歴史的な意義がある」(6月30日付「先を見すえて」での菅総理のことば)社会保障・税の一体改革は、私たちの暮らしに、どのような意味を持つのでしょうか。

 

この「一歩一歩」のコーナーでは、これから何回かに分けて、今般議論されている社会保障改革の具体的な内容について、なるべく分かりやすくご紹介いたします。

今回は、総論として、改革の背景と改革案の全体像のポイントを概観します。

 

《まずは、時代に合わなくなってきた社会保障制度を強化する》

 

この政府・与党の成案を得るに先立ち、「社会保障改革に関する集中検討会議」では、社会保障に関する見識の高い有識者、現場で奮闘されている実務家、様々な改革提案を行っておられる報道機関などから意見を伺った上で、計10回の公式会合と数多くの非公式な会合を積み重ね、精力的に議論を行いました。

 

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政府・与党社会保障改革検討本部会合(第6回)で発言する菅総理

 

そもそも「社会保障」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべられますか?

 

定年後にいくら年金をもらえるだろう、といったことでしょうか? それとも、過疎地や産婦人科でのお医者さんの不足は何とかならないのか、といったことでしょうか? 職を失ったら、ハローワークで仕事は見つかるだろうか、といったことでしょうか?

 

国民の皆さん一人ひとりが、人生のどこかの段階で必ず関わる「人生のセーフティネット」が社会保障です。その「ほころび」を繕うために、社会保障の機能を強化すること。これが今回の改革の大きな狙いの一つです。

 

ややもすると、社会保障制度改革は、「制度を支えるための財源をどうするか」という点にばかり関心が向きがちです。もちろん、その点は、大きな課題の一つです。しかし、改革に取り組まなければならない理由は、決してそれだけではありません。

 

世界最高の長寿社会として少子高齢化が急速に進み、これまでの雇用や家族のあり方が大きく変わる中で、高度成長期に築かれた我が国の社会保障制度が時代の要請に合わなくなってきています。そうした制度をどう強化し、国民の皆さんに安心を与えるものにすべきか、という点が議論の出発点にあります。

 

《高齢世代のみでなく、子どもや若者にもセーフティネットを》

 

これまでの制度の「ほころび」の一つに、社会保障によるセーフティネットが高齢世代に偏ってしまっていることがあります。こうした「ほころび」は、若者に先行きに対する不安感と負担感をもたらし、若者や子どもたちの世代に負担が先送りされる結果となってしまっています。

 

そこで、今般の改革案は、待機児童を解消したり、子どもに質の高い学校教育・保育を実現するといった子育て支援サービスの充実や、若者の安定的な雇用の確保といった具体策を提起しています。こうした課題への対応もまた「社会保障」であるということを明確化することで、世代間の公平を確保し、すべての人が社会保障の受益者であることを実感できるようにすることを目標に掲げています。

 

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  事業所内保育所の訪問       新卒予定者、職員との座談会

 

《地域コミュニティを基礎に安心・良質なサービスを提供》

 

医療、介護は、住み慣れた地域の中で提供される社会保障サービスです。地域や分野ごとの様々な歪みがあり、持続的なサービスが提供できるのか、各地で様々な不安が広がっています。それぞれの地域の実情に応じて、様々な主体が互いに結びつき、質の高いサービスを効率的に提供する体制を作ること。それも今回の改革の目指すものの一つです。

 

そのために、地域や診療科間の様々なリソースの偏在を是正したり、大病院と身近な診療所の役割分担を明確化したり、在宅医療を充実させたりするなど、課題は山積しています。これらの課題を解決すべく、診療報酬や介護報酬の体系的見直しや基盤整備を行っていくこととしています。

 

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南芦屋浜シルバーハウジングLSAで利用者と談笑する菅総理

 

《経済成長との好循環を図る仕掛けづくり》

 

従来、経済成長の促進と社会保障の充実は、トレードオフ(相反する関係)だとするのが一般的な考え方でした。今回の成案の中では、経済成長と社会保障が好循環を生み出し、安心に基づく活力が生み出されるような仕組みを作ることとしています。

 

これまでも政府の「新成長戦略」の中で「医療イノベーション」が掲げられてきましたが、これを引き続き推進します。日本発の革新的な医薬品・医療機器の開発促進や、諸外国で使われているような医薬品・医療機器の承認の迅速化で、国民が待ち望む先端技術の迅速な開発・提供を図ります。また、NPO・民間企業など多様な事業主体による多様なサービス提供を促進し、民間の創意工夫で新たなサービスが創出できるような環境づくりを進めていくこととしています。

 

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「経済成長」と「社会保障」の好循環(イメージ)

 

《制度の持続可能性を高め、安心をもたらす》

 

1990年代以降、高齢化の進展により社会保障費が増大する一方で、安定財源の確保が先送りされ、財政赤字の拡大の大きな要因になってきました。我が国の社会保障は、給付と負担が均衡しておらず、財源不足を赤字国債で穴埋めしてきているのが実態です。そのため、現在の世代の受益を将来世代の負担につけ回ししている現状にあります。

 

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給付と負担の現状

 

そのため、今回の成案では、前述のような社会保障の機能強化を果たすことを念頭に、社会保障の各制度の持続可能性を高める取組をしていくこととしています。

 

具体的には、国民皆保険・皆年金を堅持したうえで、給付と負担のバランスを前提として制度設計を行います。また、消費税収を社会保障財源化するとともに、経済状況の好転を見たうえで、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げ、安定財源を確保する、といった点が盛り込まれています。

 

今後、何回かに分けて、具体的な分野ごとに今回の成案が目指すところを詳述したいと思います。

 

07/11(月曜日)

菅内閣の一週間(7月4日~7月10日)

 

5日、大震災の当面の復旧対策に必要な経費として、原発事故の補償金支払い、被災者生活再建支援金の補助率の引き上げ、二重ローン対策などを盛り込んだ約2兆円規模の第二次補正予算案を閣議決定しました。また、同日、松本復興担当大臣の後任に平野大臣を任命しました。さらに、自殺対策タスクフォース、地域主権戦略会議、情報セキュリティ政策会議など、様々な政策に関連する会合を相次いで開催しました。

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07/06(水曜日)

2次補正予算案と、平野新復興相への期待

 

昨日の閣議で、震災の当面の復旧対策に必要な、約2兆円の第2次補正予算案を決定しました。原発事故の補償金支払い、被災者生活再建支援金の補助率の引き上げ、二重ローン対策など、急いで手当が必要な予算が含まれており、規模よりも迅速さを重視して編成しました。

 

スピードが求められた措置の一例として、港の施設に製氷機などを整備する経費(193億円)があります。漁が再開できても「獲った魚を冷やす氷が無ければどこにも運べない」という現場の直訴を聞いたのは、先月11日に釜石漁港を訪問した時でした。その場で私は、「そういう予算を急いでつけますから。何とでもしますから、やれる事はどんどん始めて下さい」とお答えし、即応を約束しました。KAN-FULL TVにも収録されているこのやり取りがきっかけとなって、今回の予算案への計上が実現できました。

 

こうしたリアルなニーズに直接触れられるのが、現地視察のメリットです。ちょうどこの時、漁港で一緒に話を聞いたのが、地元・岩手県選出の参議院議員、平野達男さんでした。

 

昨日、不適切な言動の責任を取って復興対策担当大臣を辞めた松本龍さんの後任に、その平野さんを任命しました。平野さんは、これまでも被災者生活支援チームの事務局長として、復旧・復興支援の最前線で働いてきた人です。これからも、しっかりとした仕事を担ってくれるものと期待しています。

 

07/04(月曜日)

菅内閣の一週間(6月27日~7月3日)

 

総理は、27日、松本大臣を復興担当大臣として任命するなど新たな体制を発表しました。そして、翌日、東日本大震災復興対策本部の第1回会合を開催しました。
また、総理はB型肝炎訴訟の原告・弁護団と面会し、遺族の方々に謝罪をした上で、原告・弁護団との間で「基本合意書」を締結しました。
30日には、政府・与党社会保障改革検討本部において、財源も含めた社会保障改革の基本的な考え方を内容とする「社会保障・税一体改革成案」を決定しました。
そして、7月1日から東京電力・東北電力管内では、電力の使用制限が開始されました。節電に向けての国民の皆様方の一層のご協力をお願い致します。

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07/01(金曜日)

B型肝炎の研究費増額を

 

先日、B型肝炎訴訟の原告団の皆さんと対面し謝罪をさせていただいた際、患者さんから、B型肝炎が治癒できる薬などの開発を強く求められ、早速その場で、厚生労働大臣に指示を出しました。

 

こうした事を迅速に前に進めるには、とにかく《実務を動かし始める》ことが大切です。そこで今日、医師でもある岡本充功・厚労大臣政務官を総理執務室に呼び、研究の方向性について説明を受け、協議しました。

 

今取り組んでいる「肝炎研究7ヵ年戦略」などの事業費は、今年度予算規模で20億円程度です。もっとこの分野に予算をつけることで、肝炎治療の研究が進展し、B型肝炎が治療できるようになれば、患者さんにとってそれが最も望ましいことは言うまでもありません。

 

しかもこの措置は、やや長い目で見れば、国の財政難という現実と、対立はしないと考えます。治療の進歩によって発症や悪化が減れば、国費による患者さんへの和解金等(厚労省の推計では、今後30年間で総額最大3.2兆円)も、トータルで少なく抑えられることになります。しっかり肝炎治療の研究費を増やすよう、関係者に指示しておきました。

 

「"スタートライン"という言葉を実際の行動に表すことが、今日からの国の務め」だと、一昨日のブログで書きました。今、そこから1歩を踏み出したところです。

07/01(金曜日)

第23話【和解】B型肝炎訴訟 総理が謝罪、そしてこれから

 

子供時代にきっとあなたも受けた覚えのある、集団予防接種。その際の注射器の使い回しを国が長年放置したことで、沢山の国民がB型肝炎ウイルスに感染してしまいました。患者さん達と対面した総理は......

 

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6月28日 B型肝炎訴訟 原告団と対面
<全国原告団 谷口 三枝子 代表>
谷口さん:肉体的な苦しみ、差別・偏見の苦しみは地獄でした。

 

総理:本当に断腸の思いをいたしております。

 

<広島原告団 山本 重康 代表>
山本さん:夢は叶うものです。今日、菅総理との面談が実現したことが、その証でございます。

 

総理:被害者・患者の皆さんに、国を代表して心からお詫びを申し上げます。[演台の前に出て、原告団代表の方たちに深々と頭を下げる]

 

   集団予防接種の際に注射器の使い回しを国が長年放置したことで
   B型肝炎ウイルスに感染してしまった方々。
   全国各地で700人以上が国を訴えています。

   5年前に、最初の裁判の最高裁判決で国の責任が確定。
   今年の1月11日には、札幌地裁が和解案を提示しました。
   その2週間後...

 

<今年1月24日 施政方針演説>

総理:B型肝炎訴訟における裁判所の所見(和解案)には、前向きに対応し、国民のみなさまのご理解を得ながら、早期の和解を目指します。

 

   今国会の冒頭、総理はこの問題の解決に意欲を示し、
   合意に向けて協議が進められてきました。

 

<6月28日 基本合意書 調印式>

   そして28日、原告団と和解する基本合意書の調印式の後、
   総理は原告の方々など、およそ130人と面会し、直接謝罪しました。

 

総理:今後、和解金や検査費用のお支払いを含む基本合意書の内容を、誠実に実施をしていく事を、お約束を申し上げます。

 

<東京原告団 岡田 京子 代表>
岡田さん:本当は、被害を《放置した方》からの謝罪を聞きたい、と思っています。

 

<広島原告団 山本 重康 代表>
山本さん:無理難題を承知でのお願いです。菅総理からのトップダウンで、『B型肝炎を治せる病気に』という指示をして、治療・研究に注力していただきたいのです。

 

総理:これまで以上に力を入れて、その(B型肝炎)ウイルスをなくす事、あるいは発症を抑える事、その研究に力を入れると、この事はお約束をさせていただきます。

 

<北海道原告団 高橋 朋己 代表>
高橋さん:菅総理に期待してよろしいでしょうか?

 

総理:全力をあげて、具体的な補償ができるように頑張ります。

   具体的な補償。厚生労働省は、その対象となる方をおよそ40万人、
   今後30年間の補償総額を最大3.2兆円と推計します。
   この財源の確保も、大きな課題です。

 

<全国原告団 谷口 三枝子 代表>
谷口さん:「増税になったのは、B型肝炎患者(救済の財源確保)のせいだ」というような目で見られないよう、国のご配慮、何卒よろしくお願いいたします!

 

   この日、原告を支援する学生グループ『オレンジサポート』が
   総理に贈ったカレンダー。
   そこには総理の謝罪の日となった6月28日に印が...。
   しかし、この日で苦しみが終わるわけではありません。

 

<大阪原告団 小池 真紀子 共同代表>
小池さん:[声を震わせ、総理に]私が死んだ後でも、子供たちの被害は続くのです。娘は、子どもを産むために命の危険をおかして、薬の服用を先延ばしにしてきました。親子の人生を変えてしまった被害の根深さを、忘れないで下さい。

 

総理:本日の基本合意は、この問題解決のスタートラインである。このように私自身、認識をいたしております。

 

<総理、全国原告団の谷口代表と演台の前にて>

[谷口代表と両手で握手、深々と頭を下げる総理]
谷口さん:よろしくお願いします。(会場から拍手)

 

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