2011年8月

08/29(月曜日)

はるか先を見すえて---

 

今日の民主党代表選で、野田佳彦財務大臣が次期代表に決定しました。明日には、国会で総理の指名を受けることになります。野田新代表は、これまでも財政健全化などを重視して取り組んできてくれており、落ち着いた人柄で党をまとめてゆく上でも期待しています。

 

私自身は、退任のめどとしていた第二次補正予算、再生可能エネルギー促進法、そして公債特例法の3案件が8月26日までに全て成立し、スムーズに退任手続きを進めることが出来ました。退任後も、再生可能エネルギーの促進は、ライフワークとして取り組んで行くつもりです。

 

実は再生可能エネルギーに関連して、私は最後は「植物党」を作りたい、と思っています。地球を救い、人類を救うのは《植物》だ、と確信しているからです。それは何故か。地球の誕生からの歴史を見れば、一目瞭然です。

 

火星と金星の大気は何からできているか、ご存じですか。実は約95%が二酸化炭素です。そして、45億年前誕生した時の地球の大気も、実は95%以上が二酸化炭素だったと言われています。それが、現在0.04%以下まで減少したのはなぜか。それはすべて、植物の力によるのです。

 

まず、生物を殺す作用の強い太陽からの紫外線の影響を受けにくい海の中で、植物(藻)が発生。その葉緑素による炭酸同化作用で、二酸化炭素が酸素と炭素に分解され、酸素が大気中に拡散しました。その酸素Oからオゾン層Oがうまれ、紫外線を遮断。植物は陸上に上がり、大森林などを作って石炭などの形で炭素を固定化し、酸素の成分が多い今の大気が生まれました。こうした環境の下で、初めて私たち動物が生まれることができたのです。

 

人間が使うエネルギーも、産業革命で石炭を燃すようになるまでは、大半を植物から得ていました。ある学者は、「地球上の植物の1年間の成長分の8分の1だけを利用して、それを腐らせる代わりに全てエネルギーに変換できれば、全人類が現在1年間に使っているエネルギー総量をまかなえる」と試算しています。二酸化炭素を出すプロセスを利用するだけなので、これによって大気中の二酸化炭素の総量が増大することはありません。この様に、風力や太陽光エネルギー以上に大きな可能性を持つのが植物、つまりバイオマス・エネルギーです。

 

これを震災復興の事業にも採り入れるため、まず、がれきの中の木材を活用し、将来は林業から出る端材を活用するバイオマス発電所の調査費を、10件分1億円、2次補正予算でつけました。本格的事業は、第3次補正で対応して欲しいと思っています。

 

---最後に好きな事を書いてしまいましたが、カンフルブログも、これで最終回となります。私個人の思いを、もっと語りたい場面もありましたが、総理という立場で許される範囲で、できるだけ率直に述べてきたつもりです。これまでお読みいただいた皆様、どうもありがとうございました。

08/29(月曜日)

最終話【全力】「最後の1日まで」... 退任直前の取り組みと、これから

 

退任表明会見を終えた後、「自分の責任」と福島に出向いた菅総理。僧侶・玄侑宗久氏(復興構想会議委員)の"あの言葉"を、以前訪問先の被災地にも書き残し、今、退任後の責任の取り方としても実践していこうとしています。

 

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<8月26日 退任表明会見>
総理:本日をもって民主党の代表を辞任し、そして新代表が選出された後に、総理大臣を辞することといたします。

 

   退任表明会見の翌日。菅総理が向かった先は...福島でした。

 

<インタビュー>
総理:「5年とか10年とか、あるいはさらに長い期間ですね、帰ることが難しい所もあり得る」という厳しい話ですので、(次期総理ではなく)私の段階できちんとお伝えしておくことが、3月11日に総理大臣としていた者の責任ではないかと、こう思って行ってきたわけです。

 

<8月27日 福島県庁で総理の話を聞き終えた佐藤知事>
知事:県民にとっても本当に辛い、重い話をされました...

 

   この知事の言葉の背後にあるもの――総理は、震災後6回の福島訪問で、
   たくさんの避難者の方々と直接話をしてきました。

 

KAN-FULL TV18話より――福島の避難所で、総理に直訴する方々>
女性(泣きながら):家に帰りたい...

 

男性(物静かに):出来るだけ"近い"(帰れる)富岡町にしてください。今は、アメリカよりも遠いんですよ...

 

<インタビュー>
総理:全員がですね、「以前の生活に戻りたい」「以前の場所に帰りたい」と、本当に強い希望を口々に言われていました。そういう人たちの顔を思い起こすとですね、(長期間帰れない所もある、という県知事への)今日の報告は、非常に辛い部分も率直なところ、ありました。

 

<再び、8月26日 退任表明会見>
総理:最後の一日まで、この(原発事故)問題に力を注いでまいります!

 

   辞任会見でのこの言葉通り、ここ数日だけでも、
   放射性物質による汚染対策について、
     ●司令塔となる組織の設置や
     ●今後の基本方針の確定
     ●予算支出の閣議決定
     ●汚染された瓦礫の処理を国の責任とする法案の成立。
   更に、
     ○原子力行政を改革する準備室のスタート
     ○再生可能エネルギー促進法の成立
     ○国と地元の行政責任者らが一堂に会する「復興再生協議会」の初会合
   ――など、政策は着実に進んでいます。

 

8/25(木)・「放射性物質対策"連絡調整会議"」始動
           ...《省庁横断》の司令塔
  26(金)・「"除染実施基本方針"」決定
           ...2年後に線量50%減、等
       ・"除染費用2200億円"の支出を閣議決定
       ・「放射性物質"環境汚染対処特措法"」成立
           ...汚染がれきは《国の責任で処分》、等
――――――――――――――――――――――――――――――
8/26(金)・「原子力安全規制"組織等改革準備室"」設置
           ...《原子力安全庁》(仮称)の発足準備
       ・「"再生可能エネルギー促進法"」成立
  27(土)・「原子力災害からの"福島復興再生協議会"」

 

<インタビュー>
総理:各担当大臣も、現場の色々やってくれている役所のみなさんも私と一緒にですね、とにかく最後の最後までやるところまでやって、「バトンを渡すところは近くに見えてきたけども、きちんと渡すまではしっかり走っていよう」という雰囲気で、みんな仕事をしてくれています。

 

   被災地のボランティアセンターの寄せ書きに、こんな言葉を記していた、
   菅総理。

 

<6月11日 岩手・釜石市 ボランティアセンター
壁の模造紙に書き込む総理――その言葉は『決然と生きる』>

<インタビュー>
総理:この事(東日本大震災)を総理大臣として経験し、それに対して色々と対策を打ってきた責任者として、総理という立場を辞めたからといって、一切責任はなくなりましたという事ではない。いろんな被災者の皆さんの声を、今度は総理という立場ではありませんが、現地にこれまでと同じように、時折足を運んで話を聞いて、伝えるべきところに伝えていきたいなと。こんな風に思っております。

 

   これまで27回にわたってお伝えしてきた、KAN-FULL TV。
   この第28話が、最終回となります。

 

<インタビュー>
総理:このKAN-FULL TVを見ていただいた方には、私がどんな思いを持ってどんな活動をしているのか、かなり分かっていただけたんじゃないかなと思っています。熱心に見ていただいた皆さんに、本当に心から、お礼を申し上げます。

 

   -ありがとうございました-

 

08/29(月曜日)

菅政権の仕事・総括報告(5):大震災からの復旧・復興とエネルギー政策の転換

 

菅政権のこれまでの取組を振り返るシリーズ最終回は、3・11以降の大震災への対応と、エネルギー環境戦略の再構築を取り上げます。
(赤数字は、シリーズの通し番号です。)

 

《東日本大震災からの復旧》

政府は、大震災発災直後から、警察・消防・自衛隊・海上保安庁等のマンパワーを集中的に投入し、被災者の救出・救助活動に全力を挙げるとともに、被災者の生活支援を実施してきました。特に、自衛隊については、発災翌日、総理から自衛隊の派遣態勢を10万人規模に増強するよう指示をし、自衛隊は、最大時約10万7千名という自衛隊史上最大規模の災害派遣活動を展開[48]し、人命救助から被災者生活支援まで極めて重要な役割を果たしました。

がれき処理については、災害廃棄物の発生量が非常に多い中、市町村の努力により撤去が着実に進捗しています。既に9割を超える市町村で住民が生活している場所の近くにあるガレキは撤去が完了し、残りについても8月末までに撤去[49]の見通しとなっています。また、主なライフラインや交通についてもほぼ復旧しています。

被災者の住まいを確保するために、仮設住宅約4万9千戸が既に完成しており、民間賃貸住宅なども併せれば、計約11万戸を確保[50]しました。

また、避難者へ必要な情報を提供するため、いわゆる避難所での「壁新聞」、ハンドブックやチラシを作成・配布するとともに、テレビやラジオ、ツイッターなどを通じた被災地向け特別広報体制を展開[51]しました。

 

《大震災からの復興に向けた取組》

震災からの復旧・復興のため、発災3日後から予備費を順次活用したほか、4兆円規模の第一次補正予算(4月28日提出、5月2日成立)、2兆円規模の第二次補正予算(7月15日提出、同25日成立)など、必要な財政措置を機動的に実施[52]しました。

また、「東日本大震災復興構想会議」を設置[53]し、4月から計12回開催。6月25日に「復興への提言 ~悲惨のなかの希望~」が取りまとめられました。また、6月20日に「東日本大震災復興基本法」が成立[54]し、これに基づき、6月27日に復興対策本部を設置[55]しました。

上記会議の提言を踏まえ、7月29日には、復興対策本部で「東日本大震災からの復興の基本方針」を決定[56]し、国による復興のための取組みの全体像を明らかにしました。●「復興特区」制度の創設や、●「使い勝手のよい交付金」の導入、●復興の事業規模と財源、●各種復興施策、●原子力災害からの復興、●復興支援の体制---等を盛り込んでいるところです。

 

《原発事故の収束・賠償に向けた取組》

福島原発事故の収束にあたっては、政府・関係者が一体となってとりまとめた「ロードマップ」に沿って、循環注水冷却システムが稼働し、安定的な冷却を実現したほか、新たな放射性物質の放出も抑えられており、「ステップ1」の目標を達成[57]しました。

これを踏まえ、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」という「ステップ2」の目標に向けて、冷温停止状態の達成に向けて取り組んでいるところです。

原子力災害に関しては、避難区域等の見直しに関する考え方を決定[58]し、一定の条件が整った段階で、避難等の指示を速やかに見直す考え方を整理しました。また、福島県が創設する「原子力被災者・子ども健康基金」への補助[59]を通じて、住民の長期的な健康管理や除染活動を支援しています。

原子力損害に対する賠償については、8月に「原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」を策定[60]しました。また、「原子力損害賠償支援機構法」が成立[61]し、被害者に対して迅速かつ適切な損害賠償等を実現させる支援体制を整備したところです。

 

《エネルギー政策の転換に向けた問題提起》

東日本大震災を踏まえ、エネルギー政策の転換に向けて、様々な取組を行いました。菅総理は、「発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を2020年代のできるだけ早い時期に少なくとも20%を超える水準とする」という目標をOECDでのスピーチで表明[62]したほか、7月13日の記者会見で"原発に依存しない社会"を目指すべきとの考えを明らかに[63]しました。

こうした発言を踏まえ、政府として「新たなエネルギー・環境戦略のための中間的な整理[64]を行い、現行のエネルギー政策の考え方をゼロベースで見直し、新たなベストミックスの実現に向け、原発依存度低減のシナリオの作成や原子力政策の徹底検証などを行うことを決定しました。

また、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気について、国が定める一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける法案(再生可能エネルギー特措法)を提出し、同法案は、8月26日に成立[65]しました。

 

《既存原発の事故防止策》

今後30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震発生の可能性が高いという特殊事情を考慮し、国民の安心・安全のため、中部電力浜岡原子力発電所の運転停止要請を決断[66]しました。

加えて、欧州のストレステストを参考にした原発の安全評価を導入し、現行法令に基づく原子力安全・保安院による安全性の確認に加えて、原子力安全委員会が関与する形で、新たな手続き・ルールに基づく総合的な安全評価を行うこととする政府方針を決定[67]しました。

また、5月、原発事故の調査・検証を国民の目線に立って開かれた中立的立場から多角的に行う「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」の設置を閣議決定[68]しました

さらに、原子力安全・保安院の原子力安全規制部門を経済産業省から分離し、環境省の外局として原子力安全庁(仮称)を設置し、その下に原子力安全規制に関する業務を一元化することを閣議決定[69]しました。

 

以上、5回シリーズで、菅政権の仕事の総括を御報告しました。色々な事が新しく始まりましたが、どの仕事も、まだまだ道半ばです。総理官邸は、これからも、ホームページなどを通じて、政策をわかりやすくお伝えしてゆくことに努めてまいります。

08/29(月曜日)

菅内閣の一週間(8月22日~8月28日)

 

23日、総理は訪日した米国のバイデン副大統領と会談を行い、「トモダチ作戦」等を通じた米国の支援に感謝を述べました。原子力災害関連では、放射性物質対策を省庁横断で行うための「連絡調整会議」、原子力安全庁の発足準備を担う「原子力安全規制組織等改革準備室」を設置するとともに、除染費用2200億円の予備費支出、「除染実施基本方針」等を決定しました。また、同日、国会で特例公債法、再生可能エネルギー促進法が成立したことを受けて、総理が記者会見を行いました。さらに、27日、福島市を訪問した総理は「福島復興再生協議会」の会合に出席し、佐藤知事等と意見交換を行いました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

p20110829

 

08/28(日曜日)

菅政権の仕事・総括報告(4):外交・安全保障

 
第4回のテーマは、「外交・安全保障」です。菅政権がこれまでに取り組んだ二国間、多国間での外交と安全保障の取組についてまとめます。
(赤数字は、シリーズの通し番号です。)

《日米同盟の深化》[32]

菅総理は、オバマ大統領と会談を4回(電話会談を合わせると8回)実施し、安全保障、経済、文化・人材交流の三本柱で日米同盟を深化させ、次回の総理大臣訪米の際に21世紀の日米同盟の共通のビジョンを示すことで一致しました。また、6月に日米外務・防衛閣僚による「2+2」会合を実施し、新しい共通の戦略目標を策定しました。

沖縄に集中した基地負担の軽減を推進するため、昨年9月、5年ぶりに沖縄政策協議会を開催し、その下に「沖縄振興部会」と「米軍基地負担軽減部会」を新たに設置しました。普天間飛行場の移設問題については、日米合意を踏まえた対応をとりました。

また、日本人若手英語教員の派遣を始め、国民の幅広い層における日米間の相互理解を促進するとともに、東日本大震災では、「トモダチ作戦」の下での支援や原発事故への対処等、米側と緊密に協力しました。

《近隣諸国との関係進化》

未来志向の日韓関係の発展[33]

昨年、日韓併合100年の節目の年に併せて総理談話を発表しました。また、朝鮮半島由来の図書を韓国に引き渡すため、日韓図書協定を締結しました。北朝鮮問題には、日米韓で連携して対応してきました。

中国との戦略的互恵関係の充実[34]

尖閣での漁船衝突事案を受け、外交上の摩擦が生じましたが、適切な対処に努めました。胡錦濤主席・温家宝総理との会談を通じ、大局的な観点から、幅広い協力により「戦略的互恵関係」の充実を推進するとともに、中国の透明性をやや欠いた国防力の強化や海洋活動の活発化に懸念を表明し、国際的な行動規範の遵守や建設的な対応を促しました。

日中韓協力の強化[35]

本年5月に東京で「日中韓サミット」を開催し、3か国協力の強化に向け、首脳宣言の他、原子力安全再生可能エネルギー等の推進及び防災分野での協力文書を作成しました。また、この機会に中・韓首脳を被災地に招きました。

あらゆる分野でのロシアとの関係強化[36]

菅総理は、メドベージェフ大統領と3回の会談を実施し、アジア太平洋地域のパートナーとしてふさわしい関係の構築を目指し、政治・経済を始め、あらゆる分野での関係発展で一致しました。また、ロシア要人の北方領土訪問には首脳レベルで抗議するとともに、領土問題に粘り強く取り組み、静かな環境下で議論を継続することで一致しました。

インド、オーストラリア、ASEANとの関係強化

インドとの関係では、昨年10月の日印首脳会談において、次なる10年に向けた首脳共同声明「日印戦略的グローバル・パートナーシップのビジョン」[37]を発表しました。オーストラリアについては、「2+2」会合を通じた安全保障協力の強化や日豪EPA交渉の推進[38]などにより、関係強化を図りました。成長するASEANとの関係については、ASEANの共同体構築や防災等の分野で具体的協力を推進[39]しました。 

横浜APECを通じた経済連携の推進[40]

昨年11月に横浜で、APEC首脳会議を議長国として開催しました。「横浜ビジョン」を採択し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けて具体的な手段をとることで合意するとともに、FTAAPがTPP等を基礎として追求されるべきことを表明しました。

《グローバルな課題への取組》

○核軍縮・不拡散
昨年、「核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動」決議案を国連総会に提出し、米国を含む過去最多の90か国が共同提案国となり、圧倒的な賛成多数で採択[41]されました。核兵器の悲惨さを国際社会に語り継ぐ取組として、被爆者や被爆2世の方を 「非核特使」に委嘱[42]し、これまでに延べ33名の証言活動に各国の多くの人々が耳を傾けました。

ミレニアム開発目標(「菅コミットメント」)[43]

昨年9月のミレニアム開発目標(MDGs)国連首脳会合において、「最小不幸社会」の実現という理念に基づき、保健分野への貢献として50億ドルを支援することや社会参加を後押しする支援を「菅コミットメント」として表明しました。

地球環境問題への取組

昨年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議で、名古屋議定書を取りまとめ[44]「いのちの共生イニシアティブ」を提唱しました。

G8サミットにおける対応[45]

今年5月のドーヴィルG8サミットにおいて、日本が震災復興を一日も早く成し遂げ、積極的に国際貢献に取り組む決意を国際社会に広く発信しました。また、再生可能エネルギーを基幹的エネルギーとしていくとの方向性を国際社会に広く提起しました。

国際平和協力活動等への派遣[46]

国際社会の要請に応じ、様々な国際平和協力活動等に自衛隊を派遣しました。
(昨年8月、パキスタン洪水被害に対し、国際緊急援助隊として自衛隊ヘリコプターを派遣。同年9月、国連東ティモール統合ミッションに軍事連絡要員として自衛官を派遣。本年2月、ニュージーランド南島地震災害に対し、国際緊急援助隊チームを政府専用機で派遣。)

《新防衛大綱の決定》

新たな安全保障環境に対応するため、昨年12月に「新防衛大綱」を策定[47]しました。防衛力の存在自体による抑止効果を重視した基盤的防衛力構想によらずに、従来にも増して即応性、機動性等を備えた動的防衛力を構築することとしました。

 

次回は、大震災への対応とエネルギー環境戦略の再構築を取り上げます。

 

08/27(土曜日)

菅政権の仕事・総括報告(3):国民・市民の目線からの取組

  
第三回のテーマは、「国民・市民の目線からの取組」に焦点を当てます。就任早々に「最小不幸社会」の実現を提唱した菅政権の、その具体化に向けた試みをまとめます。
(赤数字は、シリーズの通し番号です。)

《特命チームによる課題解決》

菅総理が指示した5つの「特命チーム」は、迅速な課題解決の為に省庁の枠を超えて結成された、混成部隊。「最小不幸社会」の実現に向けて、それぞれの課題への対応を少しでも前に進めるべく活動してきました。

「硫黄島遺骨帰還」[24]

昨年8月に「硫黄島からの遺骨帰還のための特命チーム」を設置。米国での600箱、40万ページに及ぶ膨大な資料調査の末、埋葬箇所を特定しました。その結果、近年では例のない822柱(平成22年度)もの御遺骨を収容することにつながりました。また、現職総理として初めて、実際の遺骨収容にも硫黄島現地で参加しました。

※関連する動画(KAN-FULL TV)はこちら

「新卒者雇用」[25]

昨年8月に「新卒者雇用特命チーム」を設置。厳しい雇用情勢への対応として、設置から6日間で「新卒者雇用に関する緊急対策」をとりまとめました。ジョブサポーターの倍増等を実施するとともに、新卒者の採用に関する経済界への具体的要請等を行いました。

※関連する動画(KAN-FULL TV)はこちら

「HTLV-1対策」[26]

昨年9月に「HTLV-1特命チーム」を設置。成人T細胞白血病等の原因となるウイルス「HTLV-1」について、予防・治療の研究開発や相談・診療体制の整備等を内容とする「総合対策」を、同年12月にとりまとめました。

※関連する動画(KAN-FULL TV)はこちら

「待機児童ゼロ」[27]

昨年10月に「待機児童ゼロ特命チーム」を設置。同11月に「待機児童解消『先取り』プロジェクト」をとりまとめました。平成23年度予算として、200億円を投じ、質を確保した認可外保育施設も補助することとしました。

※関連する動画(KAN-FULL TV)はこちら

「社会的包摂」[28]

本年1月に「一人ひとりを包摂する社会」特命チームを設置。「孤立化」という新たな社会リスクに対応するため、5月に「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」を発表、8月には、ワンストップ相談事業等の具体的な「緊急政策提言」をとりまとめました。

※関連する動画(KAN-FULL TV)はこちら

《国民・市民目線での政治判断、制度設計》

昨年12月、諫早湾干拓排水門の開放を命じる福岡高裁の判決に対し、上告しないことを決定[29]し、開門方法の具体化を図るとともに、防災、営農、漁業への被害が生じないような万全の対策を講じるべく、環境アセスメントを実施しました。

B型肝炎訴訟では、本年6月、B型肝炎訴訟の原告団との間で、和解のための基本合意書に調印[30]しました。

また、この「一歩一歩」コーナーでも以前に紹介した[31]NPO法人への寄付制度の見直しは、「新しい公共」の担い手となるNPO法人の活動基盤を支えるものであり、ボランティア活動の促進につながるものです。

 

《雇用に重点を置いた取組など》

前回「経済政策」のカテゴリーでご紹介した次の大方針も、今回の「国民・市民の目線」を反映しています。

まず、従前の考え方を大きく転換した、「雇用の創出」の重視。これは「仕事を失う」ということが、経済的な困難だけではなく、人として「居場所と出番」を失わせ、不幸に陥る最大要因の一つであるとの考えに立脚したものです。

さらに、「社会保障・税の一体改革」も、財政や社会保障の持続可能性を高め、「最小不幸社会」の基盤となるべきものです。

 
次回は、「外交・安全保障の推進」について取り上げます。

 

08/26(金曜日)

第27話【転換】ついに成立!再生可能エネルギー促進法 待ち望んだ市民と総理と

 

今日(26日)は、菅総理の退任表明会見ばかりが注目されましたが、肝心なのは、それと連動していた「再生可能エネルギー促進法」の成立です! (法の趣旨は、まずカンフルTV第24話をご覧下さい。)今日の成立までには、沢山の国民の声が総理に届いていたのです。

 

≫スマートフォン等で動画が表示されない場合はこちら からご覧ください。
≫携帯の方はこちらから動画をご覧ください。

 

<8月26日 総理会見>

総理:国民のみなさんに私からご報告をすることがあります。再生可能エネルギー促進法が、与野党のみなさんの努力によって成立をいたしました。

 

   総理大臣・菅直人が最後までこだわり続けた、一本の法律。

 

<6月15日 「エネシフ・ナウ!」集会にて>

総理:自然エネルギーを育てる、選択肢を育てる、その第一歩がまさに、再生可能エネルギー促進法!

 

KAN-FULL TV 24話より>

<女優 松田美由紀さん>
松田さん:これを変えられるのは、今、総理しかいません。本当によろしくお願いします。

 

<歌手 加藤登紀子さん>
加藤さん:心から成立を祈っております。

   

   エネルギー政策の転換を求める市民集会で、
   法案成立を求めて手渡された、大きな要望書。
   以来、今日までずっと、総理の執務室に置かれてきました。
   そして、このパネルだけではありません。

 

<6月11日 岩手・釜石市 ボランティアセンターにて――視察後、突然呼び止められる総理>

男性:菅さん、未来のことを考えたら自然エネルギーだと思います。

総理:やります。

男性:頑張ってください。

総理:ありがとう。[男性と握手]

男性:ありがとうございます。

 

<6月23日 沖縄・糸満市 平和祈念公園にて――風力発電の風車をバックに>

女性:今日は風もありますしね。太陽もあるし自然はいっぱいなんで、自然のエネルギーを利用した開発を出来たらと思いますね。

 

   全国の人たちとインターネットで結んだ、
   自然エネルギーに関するオープン対話でも...。

 

<6月19日 自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」

司会者:ツイッターからも沢山、たくさんコメント・メッセージいただいているんですけども。[寄せられたコメントを紹介]

『自然エネルギー促進の大前提として、社会を低エネルギー消費型に変革することが必要だと考えます』

 

   そして...

 

<7月13日 総理会見>

総理:これからの日本の原子力政策として、《"原発に依存しない社会"を目指すべき》と考えるに至りました。

 

   《脱・原発依存》を明言して注目された、この会見。
   その締めくくりでも、総理は...。

 

総理:新たな《再生可能エネルギー》や《省エネルギー》に対しての、より積極的な確保に向けての努力。この一貫した考え方に基づいて、ぜひ推し進めてまいりたい。

 

   

さらに半月後、関係閣僚もそろった「エネルギー・環境会議」

 

<7月29日 「エネルギー・環境会議」>

総理:再生可能エネルギーの導入の可能性。まさに政府として、この『革新的エネルギー・環境戦略』のベースができたと。

 

   総理の《個人的》考えは《政府の》エネルギー政策へと前進しました。
   その2日後、今度は「《みんなの》エネルギー環境会議」。
   国民誰もが自由に参加して、今後のエネルギー政策を考えよう
   というシンポジウムです。

 

<7月31日 長野・茅野市 「みんなのエネルギー・環境会議」>

<環境ジャーナリスト 枝廣淳子さんの話に客席で聞き入る菅総理>
枝廣さん:これまで、お上なり電力会社に任せきりにしてきた私たちが自分のこととしてエネルギーについても考えて、選んで、決めていく。地域の中からエネルギーを換えていく!

 

   広島・長崎でも...。

 

<8月9日 長崎市>

<被爆者 川野浩一さん>
川野さん:再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーとする安全・安心な社会を作っていただきたい。

 

<8月6日 広島市>

<被爆者 壷井進さん>
壷井さん:私たちは自然エネルギーの道、すなわち核ゼロにする道を求め、実践して世界の疑問・期待に応えていきたい。

 

<8月26日 参議院本会議――法案可決の様子>

  こうした沢山の声に後押しされて今日、再生可能エネルギー促進法は成立しました。

 

<再び、「みんなのエネルギー・環境会議」>

総理:まさにこの事(再生可能エネルギー)こそが、日本の新しい産業革命に間違いなくつながっていくし、十分可能だと申し上げておきたい。どうもありがとうございました!

 

08/26(金曜日)

菅政権の仕事・総括報告(2):経済・財政・社会保障の一体的改革

 

菅政権がしてきた仕事を、まとめて御報告するシリーズ。第二回のテーマは、「経済・財政・社会保障の一体的改革」です。菅政権の取り組んだ経済政策全般を《経済成長》《財政健全化》《社会保障》の区分けに沿って、順に振り返ってみましょう。
(赤数字は、シリーズの通し番号です。)

 

《経済成長》

●新成長戦略

就任後の6月、[9]「新成長戦略」を閣議決定しました。かつてのような公共事業による経済成長(「第一の道」)や供給サイドの効率化に偏った成長戦略(「第二の道」)ではなく、新たな需要と雇用の創造による成長(「第三の道」)を目指し、7つの戦略分野と21の国家戦略プロジェクトを推進してきました。「新成長戦略実現会議」を設置し、これらのプロジェクトを本格的に実行する体制も構築しました。

国内産業の空洞化を防止するため、昨年11月には[10]「日本国内投資促進プログラム」を策定。平成23年度税制改正法案において、法人実効税率の5%引下げが盛り込まれたほか、低炭素型産業の国内立地への補助を実施してきました。

他国との経済連携については、昨年11月に[11]「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し、アジア太平洋地域における21世紀型の貿易・投資ルール形成に主導的に取り組むことを決めました。インド、ペルーと交渉を妥結したほか、EUと交渉のためのプロセスを開始、日中韓FTA実現に向けた取り組みも進めました。

高いレベルの経済連携の推進と両立させるべく、農林漁業の再生にも取り組みました。昨年11月に「食と農林漁業の再生実現会議」を立ち上げて議論を進め、その後、東日本大震災の発災も踏まえ、平成23年8月に[12]「我が国の食と農林漁業の再生のための中間提言」をとりまとめました。

 

●経済対策の推進等

昨年9月、急速な円高や海外経済の減速のリスクに対し「3段構えの経済対策」を発表し、[13]「ステップ1」として同月に「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」(約0.9兆円の経済予備費の活用等)、[14]「ステップ2」として10月に「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(約4.9兆円の平成22年度補正予算の活用等)を実施するとともに、[15]「ステップ3」として、平成23年度予算・税制等により新成長戦略の本格実現に向けた措置を講じました。

また、東日本大震災以降、日本再生に向けた取組を進めるため、経済財政運営の基本方針や、財政・社会保障の持続可能性確保、新たな成長へ向けた国家戦略の再設計・再強化の方針を示すべく、本年5月には[16]「政策推進指針~日本の再生に向けて~」、8月には「政策推進の全体像」を閣議決定しました。

 

●雇用対策の推進

「3段構えの経済対策」や、平成22年12月の[17]雇用戦略対話合意(雇用戦略・基本方針2011)に基づき、新卒者等雇用対策の推進、雇用調整助成金の活用による企業の雇用維持努力の支援など、雇用を「つなぐ」、「創る」、「守る」の3本柱による政策を展開しました。

 

《財政健全化》

●「財政運営戦略」の策定

政権発足直後の昨年6月に[18]「財政運営戦略」を閣議決定し、「国・地方の基礎的財政収支について、遅くとも2015年度までにその赤字の対GDP比を2010年度の水準から半減し、遅くとも2020年度までに黒字化する」との目標を設定するとともに、ペイアズユーゴー原則や財政赤字縮減ルールなどの財政運営の基本ルールを導入しました。

「財政運営戦略」では、イギリスの仕組み等も参考に、向こう3年の基礎的財政収支対象経費の上限等を定める[19]「中期財政フレーム」を導入し、各年央に改訂することとしました。平成23年8月の改訂では、震災対応等は別途管理とした上で、財政規律の維持を図ることとしています。

 

●23年度予算案での対応

平成23年度予算案の策定にあたっては、社会保障関係費を5.3%増加させ、科学研究費補助金を3割増とする一方、公共事業関係費を実質5%削減するなど、[20]従来型の配分を大胆に組み替えたほか、[21]「元気な日本復活特別枠」を活用し、新成長戦略やマニフェストに掲げた優先度の高い施策等に重点配分しました。

昨年10~11月に事業仕分け第3弾を実施し、特別会計の仕分けを行うととともに、これまでの事業仕分け等の評価結果・指摘事項が的確に反映されていないものについて「再仕分け」を実施しました。また、これまでの事業仕分けの成果を23年度予算に反映しました。

予算の大胆な組み替えを行い、優先度の高い施策に重点配分を行う一方で、「中期財政フレーム」に沿って、歳出の大枠71兆円以下、国債発行額44兆円以下を堅持しました。

 

《社会保障改革》

少子高齢化の進行等、社会経済状況が大きく変化する中、国民生活の安心を確保するため、社会保障と税の一体改革に着手し、平成22年10月から検討を開始、「社会保障改革に関する集中検討会議」で精力的に議論を進め、平成23年6月に、社会保障改革の安定財源確保と財政健全化の同時達成に向けた取組等を明らかにした[22]「社会保障・税一体改革成案」ました。(具体的な内容は、これまで「一歩一歩」でも紹介してきたとおりです。) をとりまとめ

また、社会保障と税の各制度における効率性、透明性の向上を図り、給付や負担の公平性を確保するインフラとしての番号制度導入に向け、本年6月、[23]「社会保障・税番号大綱」ました。 をとりまとめ

 

次回は、「国民・市民の目線からの取組」について総括します。

 

08/25(木曜日)

菅政権の仕事・総括報告(1):政治行政のあり方の改革

 

「特例公債法案、再生可能エネルギー促進法案が成立したら政権を譲る」と、菅総理はこのカンフルブログの中でも言明しています。そこで、この「一歩一歩」コーナーでは、これから数回に分けて、菅政権が誕生以来1年3ヶ月で取り組んだことを、大きな課題ごとに総括報告いたします。

 

シリーズ第一回のテーマは、「政治行政のあり方の改革」です。菅政権は、鳩山政権による歴史的な政権交代で端緒がついた政治・行政の大改革を引き継ぎ、政治主導・地域主権改革・国家公務員改革などで新たな取組みを行いました。その軌跡を振り返ってみましょう。

 

《新たなステージの政治主導》

政治主導の確立。これは、政権交代のキーワードであるとともに、菅総理が野党時代から力を入れてきた課題です。

日本の総理大臣の直属スタッフは、実は諸外国と比べて手薄と言われてきましたが、初代の国家戦略担当大臣として、国家戦略室の創設に自ら関与してきた菅総理は、総理就任後、[1]国家戦略室の一部を「総理直属のスタッフ」として位置づけ、総理補佐機能を担うことを明確にしました。

 

《地域主権改革》

国と地方の関係をどうするか、という点も、「国のかたち」を考える上で最も重要な課題の一つです。菅政権は、[2]昨年6月に「地域主権戦略大綱」を閣議決定し、地域主権改革を総合的・計画的に推進するための取組方針を定めました。

[3]補助金の一括交付金化も進めました。平成23年度は都道府県向け投資に係る補助金等を一括交付金化し、5,120億円を計上しました。平成24年度は市町村分を合わせて1兆円規模を目指すこととなっています。

昨年12月には、[4]「アクション・プラン ~出先機関の原則廃止に向けて~」を閣議決定しました。出先機関の事務・権限をブロック単位で移譲するための広域的実施体制の枠組み作りのため、平成24年通常国会に法案を提出し、平成26年度中の移譲を目指すこと等を決定しました。

また、本年4月には、[5]「国と地方の協議の場」に関する法律が成立し、国と地方が直接協議する場を法制化しました。法制化後、既に2回開催されています。

 

《国家公務員制度改革》

行政改革の最大のテーマの一つ、国家公務員制度の改革でも、進展がありました。平成23年4月の国家公務員制度改革推進本部で、[6]労使間で人事・給与制度の見直しができる「自律的労使関係制度」の創設、[7]人事の一元管理に関する制度の創設、退職管理の一層の適正化など、改革の「全体像」を決定し、6月に法案を国会に提出するに至っています。

また、[8]公務員の人件費削減にも厳しく取り組みました。東日本大震災等を踏まえ、平成25年度末までの間、管理職給与を▲10%減額する等、公務員の給与を大幅に削減する法案を国会に提出し、定員削減にも厳しく取組んでいるところです。

 

次回は、経済政策について総括します。

 

08/22(月曜日)

社会保障・税一体改革 各論(3)(子ども・子育て支援)

 

社会保障・税一体改革の成案に盛り込まれた個別制度の改革の内容をご紹介するシリーズ。今回は、子ども・子育て支援です。

 

子どもは、社会の希望であり、未来をつくる力

社会保障・税一体改革の成案では、優先的に取り組む分野の一つとして「子ども・子育て支援」を挙げています。

菅内閣としても、「新成長戦略」の大きな柱の一つに掲げ、「待機児童ゼロ特命チーム」を設置するなど、特に力を入れてきた分野の一つです。

子どもは、《社会の希望》であり、《未来をつくる力》です。子どもたちが健やかに育ってほしいという思いは、親御さんたちだけでなく、この社会を構成するすべて大人の願いでもあります。また、乳幼児期は、その後の生涯の基礎をつくる非常に大事な時期。子ども・子育て支援は、何よりも、子どもたち自身のために行われるものでなければなりません。

加えて、少子化が進んでいく日本では、子育てをしながら仕事を続けたいと望む女性が、継続的に社会参加できるような体制づくりが求められています。保育の充実により、安心して子どもを預けられる環境を整えることは、子育て世代にとって、仕事と育児の両立のために欠かせない条件です。

さらに、保育の充実は、それに従事する方々の雇用をつくりだすことを通じ、日本経済の活性化と雇用機会の増大にもつながります。

子ども、子育て世代、そして経済全体。子ども・子育て支援の充実は、いわば《一石三鳥》の効果があります。

しかしながら、現行の社会保障の仕組みは、高齢者への給付が中心で、この分野には、十分な目配りがなされてきませんでした。国際的に比較しても、出生率(※)の回復が見られたフランスやスウェーデンでは、家族関係政策への支出の国内総生産(GDP)に占める割合が3%程度であるのに対し、日本は1%程度にとどまっています。

※(合計特殊)出生率:1人の女性が一生の間に生む子どもの数

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図1:各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較(2007年)

 

こうした状況を踏まえ、子ども・子育て分野は、社会保障制度改革の最優先項目の一つとされています。

子どもと子育て家庭を社会全体で支援する新たな仕組み(「子ども・子育て新システム」と呼んでいます)については、社会保障制度改革全体の成案づくりに先駆けて、昨年9月から内閣府を中心に、関係者が参加したワーキングチームにおいて検討が進められてきました。

先月末まとまった「中間とりまとめ」のポイントを以下にご紹介します。

 

社会全体で応援したい、子どもと子育て家庭!

《社会の宝》たる子どもたち。しかし、現実には、日本の「子育て」を取り巻く環境は、厳しい状況にあると言わざるを得ません。

少子化の背景には様々な要因が指摘されていますが、若者の将来に対する不安の広がりが一因となっていることは間違いありません。厳しい雇用情勢のもとで、若者が望むような職に就けず、将来の生活への不安によって、結婚や出産まであきらめてしまう、という現状。これでは、日々成長していく子どもの姿に喜びと生きがいを感じ、親自身もまた成長していく、という好循環も働きません。

こうした不安の背景には、地域や家族をめぐる環境の変化もあります。核家族化が進み、特に都会では地域社会とのつながりも薄くなり、「近所の家でちょっと子どもをみてもらう」といったことも、実際には難しいのが実情です。

そして、保育所への入所を待つ待機児童の長い列。働きたくても子どもを預けられず、やむなく仕事をあきらめる女性が多い状況も改善されていません。

現状では、出産前に仕事をしていた女性の約6割が出産を機に退職

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図2:子どもの出生年別、第1子出産前後の妻の就業経歴

 

非自発的な退職理由で最も多いのが仕事と育児の両立の困難

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図3:妊娠・出産前後に退職した理由

 

こうした社会環境の変化やそれに伴って現実に起こっている問題を踏まえて、親が子育ての第一義的な責任を負うことを前提にしつつも、社会全体で「子ども」と「子育て家庭」を支える仕組み。それが「新システム」の理念です。

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図4:子ども・子育て新システムの具体的な内容

 

すべての「子ども」と「子育て家庭」を支援する!

新システムの最大の眼目は、「すべての子ども」の成育環境を保障するという点です。

そのため、次に述べる《幼保一体化》を進めて、質の高い幼児期の学校教育と保育を保障するとともに、家庭で子育てしている方への地域の子育て支援を充実させることとしています。

こうした取組によって、「家庭で子育てしているけど、気軽に相談できる人がいない」といった声にも応えます。多様な支援事業を身近な地域で充実させ、それぞれの子どもや子育て家庭のニーズに応じて、質の確保された幼児期の学校教育や保育、子育て支援が受けられるようにします。

 

幼保一体化を推進します!

すべての子どもが健やかに育つ環境づくりのために、「新システム」の最大の目玉となっているのは、《幼保一体化》です。

幼稚園と保育所。これまで、両方とも小学校就学前の幼児への「教育」と「保育」を担う主体でありながら、基準や財政支援の枠組みが異なることが指摘されてきました。

そこで、様々な観点からオープンな議論を積み重ね、《幼保一体化》を推進することとしています。具体的には・・・

(1)市町村における一元的な事業計画策定

利用者ニーズを市町村が一元的に把握し、利用者の立場に立って必要な方策を講じる計画を策定します。幼稚園と保育所に分かれていた国からの財政支援も一元化し、公平性を確保します。これにより、例えば「幼稚園と保育所で、教育や保育の内容に差があるのでは?」といった利用者の方々の懸念を解消し、それぞれの子どもや子育て家庭のニーズに応じた幼児期の学校教育、保育、子育て支援が受けられるようになります。

 

(2)「総合施設(仮称)」の創設

幼稚園と保育所の両方の良さを合わせ持った「総合施設(仮称)」を新たに整備し、家庭で子育てをする親御さんからの相談対応なども含めて、子育て家庭の多様なニーズに応えられるようにします。(なお、国の支援によって、「総合施設」の数を増やしていく方針です。)

 

(3)「指定制度」の導入による、多様な事業主体の参入促進

質の確保のための客観的な基準を満たせば、株式会社、NPO等の多様な事業主体にも財政支援を行い、それらの参入を促進します。これによって、一定の質を確保しつつ、供給される保育の量を確保します。

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図5:幼保一元化の具体的な仕組み

 

このように、満3歳以上の小学校就学前の幼児に学校教育を提供する「幼稚園」、小学校就学前の乳幼児に保育を提供する「保育所」に加え、今回、両方の良さを合わせ持った「総合施設」を新たに整備します。そして、これらの施設を「こども園(仮称)」として指定することにより、様々な子ども・子育て家庭の状況・ニーズに対応していきます。

 

制度や財源を一元化し、地域の実情に合わせる!

「新システム」は、子ども・子育て支援のための諸政策について、いくつかの「原則」を整理しています。

一つ目は、「制度と財源の一元化」です。

現在の子ども・子育て支援の「制度」と「財源」は細かく分かれています。そのため、利用者にとっても、サービスを提供する側の方々にとっても、複雑で分かりにくく、使い勝手の悪い仕組みになりがちです。

そこで「新システム」では、子ども・子育て支援に関する制度・財源を一元化することにしています。

次に、「市町村を実施主体とする」という点です。

最も身近な自治体であり、地域住民のニーズを把握しやすい市町村が、「子どもをしっかり保育する場所があれば働きたい」「家庭での子育てについて相談したい」といった住民のニーズを潜在的なものも含めてしっかりと把握し、こうしたニーズに応じた支援の提供体制を整備する仕組みをつくります。

さらに、「社会全体での費用負担」という点です。

支援の量的な拡充と、質の改善を行うためには、2015年度で1兆円超の追加的な費用がかかると見込まれます。国、地方、事業主、個人がそれぞれ応分の負担をする形で、恒久的な財源を確保しながら政策を実施していくこととしています。政策の具体化にあたっては、「子ども・子育て会議(仮称)」を設置して、各界の代表者が参加した形で進めていく方針です。

今後、政府は、関連する法案を国会に提出し、今回ご紹介したような、子どもや子育てを社会全体で支援する新たな仕組みの一刻も早い本格実施を目指します。今後の具体化に向けた取組にご注目ください!

 

08/22(月曜日)

菅内閣の一週間(8月15日~8月21日)

 

総理は、15日に全国戦没者追悼式に参列し、先の大戦における全戦没者に対し追悼の誠を捧げました。また、原子力安全行政に対する信頼回復等を図るため、環境省の外局として原子力安全庁(仮称)を設置する等の改革の基本方針を閣議決定しました。さらに、総理は、18日、CO2±0(ゼロ)を実現した省エネ住宅モデルハウス「エコアイディアハウス」等を視察するとともに、FIFA女子ワールドカップドイツ2011 日本女子代表チームに対して国民栄誉賞の表彰式を行いました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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08/16(火曜日)

専門家らとの対話--待った無しの汚染対策

 

週末を挟んで、震災復興と原発問題で、それぞれ着実な《1歩前進》がありました。まず先週金曜、懸案だった「がれき処理特別措置法」が、関係者の尽力により成立。これで、地方交付税による手当て分も合わせると、震災のがれき処理にかかる費用は、被災地の自治体には事実上全く負担がかからなくて済むようになりました。復興の前進に向け、これが力強い1歩となることを期待します。

 

一方、原子力行政の改革準備では、昨日、「原子力安全庁」設立に向けた基本方針を、閣議決定しました。細野大臣の頑張りで、仕組み作りは速いペースで作業が前進しています。

 

言うまでもないことですが、この作業と並行して急務なのが、目の前の、放射性物質による汚染への対策です。地元自治体と共に、懸命に対策に取り組んでいますが、原発事故に伴う大規模な汚染は我が国にとって初めての経験であり、専門家の意見も様々で、国民の皆さん、特に小さいお子さんを持つ方々から強く心配する声が上がっており、私の耳にも届いています。

 

そこで昨日、関係大臣・副大臣と共に私自身、あらためて約3時間にわたって計7人の専門家の方々から、じっくりと話を伺いました。まず1人目は、国会でも参考人として証言して頂いた、東大アイソトープ研究所長の児玉龍彦教授。その後、これまで内閣としてアドバイスを受けてきた6名の、原子力災害の専門家の方々。いずれの方もチェルノブイリでの実地調査をはじめ豊富な経験をお持ちで、政府側も、篠原副大臣が4月のチェルノブイリ視察で得た知見をもとに発言するなど、具体的で突っ込んだ議論となりました。

 

私も随分質問をさせて頂きましたが、専門家の皆さんのご意見にも、やはり互いに共通する点と異なる点があり、国民的に共通の認識を持つためには、開かれた形での更なる議論が必要だと感じました。

 

放射性物質による汚染は、生活の各方面に影響する課題だけに、汚染の全体像や安全性の基準などを政府として総合的に判断し、法整備も含めて、省庁横断的に作戦を立てる必要があります。次期政権が軌道に乗るまで待つことなく、私も職を辞する直前、できる所まで、全力でこの課題に取り組みます。

 

08/15(月曜日)

責任を果たしていく覚悟

 

今日は、66回目の終戦記念日です。
「戦後の焼け野が原から、私たちの先輩の世代は雄々しく立ち上がり、世界が驚く復興を成し遂げました。私たちも、この戦争のときの復興の気持ちを改めて思い出し、かみ締めて、今回の大震災の復興に当たろうではありませんか」と、震災1ヶ月の際の記者会見で、私は国民の皆さんに呼びかけました。8・15を迎え、今、その思いを新たにいたします。

 

その震災からの復旧・復興は、着実に前進しています。「大震災に取り組むことに一定のメドがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんに色々な責任を引き継いで頂きたい」と、私は6月2日の民主党代議士会で言明しましたが、先週の民主・自民・公明の3党幹事長間合意で、特例公債法案を成立させる事が確認され、その後、再生可能エネルギー法案も成立する見通しとなりました。これを受けて、メドとしていたそれらの法案が成立したら政権を譲る、という6月以来の約束を実行することを明らかにしました。

 

 社会保障と税の一体改革案がまとまり、大震災からの復旧・復興や原発事故の収束、原子力行政の抜本改革など、私が何としてもやろうとした事は、逆戻りできないところまで進めることができました。しかし、放射性物質による汚染問題など進行中の課題もなお多く、ここで徐々に減速していくことなど出来ません。菅内閣が続く最後の一秒まで、引き続き全力で責任を果たしていく覚悟です。

 

08/15(月曜日)

第26話【平和】「非核特使」創設から1年 広島・長崎で総理に活動報告会

 

世界に被爆体験を語り継ぐ、政府委嘱の「非核特使」。昨年の広島平和祈念式での挨拶で、菅総理が提唱して始まったこの制度は、1年で確かな成果を上げました。そして、報告会で特使たちが口々に語った、3月11日以降の海外の聴衆たちの質問とは―――

 

 

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<8月6日 広島 平和祈念式>

アナウンス:間もなく8時15分になります。...黙祷。

 

<原爆が投下された、午前8時15分 「平和の鐘」が鳴らされる>

<黙祷を捧げる、総理>

 

<あいさつ>
総理:昨年、この式典で、私は《『非核特使』の派遣》を提唱しました。(非核特使に)世界各地で核兵器の悲惨さや、平和の大切さを発信していただきました。

 

   被爆体験を世界に語り継ぐ、非核特使。
   今までに、延べ35人が政府から委嘱を受けました。(8月8日現在)

 

KAN-FULL TV 14話より――「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」に向かう壷井進さん>

壷井さん:私の家が今の広島の平和公園の中にありました。その時にいた街の人は、全員が亡くなりました。

 

   制度ができて1年。今回、広島・長崎で開かれた初めての報告会には、
   
地球一周証言の旅から戻った、壷井進さんの姿も...。

 

<8月6日 広島での報告会にて>

壷井さん:私たちは13の寄港地で、14回の証言を行いました。特にコロンビアではサントス大統領の歓迎、どこの会場も満員、熱心に耳を傾けていただきました。

 

   報告会の場で、自作のDVDを手渡したのは、非核特使の田邊雅章さん。
   原爆投下前の爆心地の風景を克明に映像で再現し、
   《何が〝失われた〟のか》を世界に訴えています。
   田邊さんは少年時代、今の原爆ドームの隣に住んでいました。

 

田邊さん:一被爆市民としては、なかなか成し得ない訴求や啓発も、(『非核特使』という)国のバックアップのお陰をもちまして、現地メディアの扱いも格別な対応でした。

 

<再び、KAN-FULL TV14話より――被ばく2世として初めて非核特使の委嘱を受けた、阪口博子さん>

阪口さん:《被ばく2世》というのは、親の身体を通して原爆放射線の影響を受けているわけですから、《被爆者と同様の思い》を持っております。

 

   ...と、地球一周証言の旅に出る当日、力説していた阪口博子さん。
   実際に世界を回ってみて、こんな手応えを得たと言います。

 

<8月9日 長崎での報告会にて>

阪口さん:これから先、《被爆体験を引き継ぐ》という意味で、被ばく2世の存在がこれから、ますます大変重要になってくると思っております。

 

総理:世界の中で広島・長崎が語り継がれて、100年経っても1000年経っても、長崎以降(核兵器の被害)は無かったと言えるような世界にするという。ぜひご協力を、よろしくお願いいたしたいと思います。

 

<海外での証言風景>

   非核特使が訪れた国は、これまで22カ国。(8月8日現在)
   しかし、被爆の証言を聞く海外の人たちには、3月11日以降、ある変化が...。

 

<その変化について報告会で語る非核特使>

田崎昇さん:「日本は被爆国であり、放射能の恐ろしさを知っているのに...

 

壷井さん:...なぜたくさんの原発を?」という疑問が寄せられました。

 

阪口さん:非常に(海外の)皆さんが不思議に思われているということが、異様に私たちも《胸に応えました》。

 

   日本を襲ったもう一つの放射能被害に対する海外の人たちの関心。
   非核特使たちは揺さぶられました。

 

<8月9日 長崎 平和祈念式典>

<あいさつ>
総理:今回の事故を、人類にとっての《新たな教訓》と受けとめ、そこから学んだことを世界の人々や将来の世代に伝えていくことが、《我々の責務》であると考えています。

 

<原爆が投下された、午前11時2分>
アナウンス:黙祷

 

<黙祷を捧げる総理>

<「長崎の鐘」が鳴り響く>

 

08/15(月曜日)

菅内閣の一週間(8月8日~8月14日)

 

総理は、国際連合の潘基文事務総長の表敬(8日)を受け、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(9日)に参列してあいさつしたほか、「国と地方の協議の場」(12日)など諸会合に出席しました。また、原発事故関連の避難区域の見直しに関する方針、予算編成の基礎となる中期財政フレームなどを決定するとともに、原子力損害賠償支援機構法の施行に伴う新たな組織・体制を立ち上げました。さらに、「一人ひとりを包摂する社会」特命チームが緊急提言をまとめました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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08/12(金曜日)

震災5ヶ月--誰ひとり孤立しない社会に向けて

 

昨日で、大震災から5ヶ月が経ちました。復旧・復興への取組みを日々進めながら、特に気にかけなければならないと思うことがあります。それは、震災によって《人と人との絆》が切れてしまい、孤立に直面している方への目配りです。

 

社会の中で孤立している人を、どう包み込むのか。《包摂》は、この震災が起きる前、私が総理就任直後の所信表明演説の時から掲げてきた重要テーマの一つです。折しも一昨日、私がお願いしていた「一人ひとりを包摂する社会」特命チームが、緊急政策提言を発表しました。

 

一昨年の正月、私は日比谷公園の「年越し派遣村」にいました。そこで"村長"として、貧困問題に体当たりで関わっていたのが、湯浅誠さんでした。同じ頃、自殺問題に真正面から取り組み続けるNPO「ライフリンク」の清水康之代表とも知り合いました。机上の議論ではなく、こうした現場主義の人達の実体験からしか、孤立問題の出口は見つからない。そう思って、私はお二人に頼み込んでこの特命チームの屋台骨になって頂きました。そして福山官房副長官を座長に、約7ヶ月の検討と、度々の被災地訪問などを積み重ね、今回の提言に至ったのです。

 

個人が社会から排除されるリスクというものが、この社会の中でどのように広がり、連鎖しているのか。まずは、それをきちんと実態調査して、直視しなければなりません。

 

もちろん、従来から色々な支援制度はありますが、現実を凝視すれば、全ての人が切れ目なくカバーされているわけではありません。例えば、高校を中退して、居場所の無くなった若者。誰かがそこに声をかけ、話をする機会が用意されれば、また新たな人生の展開が始まるでしょう。そんな一人ひとりへのパーソナル・サポート体制を、まずはモデルケースを拓くことで、先導します。

 

更に、このチームの初会合の席で私が提示したのが、全国的なコールセンター作りです。ワンストップで電話相談を受け付け、悩みを傾聴し、寄り添い、アフターフォローまで行う。そんな事業の実現に向け、さらに検討を深めてもらうことになりました。

 

---この提言は、巨額の予算が動く事業ではないけれど、大切さという意味でとても"大きい"仕事です。それを私の総理在任中にまとめて頂けたことを、嬉しく思います。特に、これからの復興への作業の中で、被災地にこそ《社会的包摂》のモデルを実現してほしい。三次補正でもしっかりと予算をつけ、こうした社会づくりの"芽"をきちんと育ててもらいたい。誰ひとりとして排除されることのない社会の実現に向けて、そう強く願います。

 

08/12(金曜日)

「一人ひとりを包摂する社会」へ 緊急政策提言!

 

既にKAN-FULL TVでも紹介しました「一人ひとりを包摂する社会」特命チーム。福山官房副長官を座長とし、本年1月の立ち上げ以降、精力的な活動を続けています。
え、「ホウセツ」って何? という反応がなされがちだった政権交代当初に比べると、菅総理が国会での演説でも使った「社会的包摂」という概念は、着実に社会に定着してきているのではないでしょうか。
今回のこのコーナーでは、特命チームが昨日(10日)とりまとめた「社会的包摂政策に関する緊急政策提言」の内容を中心に、これまでの取組をご紹介します。

 

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「一人ひとりを包摂する社会」特命チーム会合であいさつする菅総理

 

震災で重要性を増す「社会的包摂」
一人暮らし高齢者、児童虐待、不登校、DV、離婚、貧困、孤独死、そして自殺...そうした社会の中で孤立している人々を、どうやって社会から排除することなく包摂していくのか。その具体策を省庁横断的に検討する特命チームが、まさに議論を本格的に開始した矢先、東日本大震災が発生しました。

大震災によって、私たちは、「被災地で生活の基盤を失った、一人ひとりの被災者の方々をどう孤立から救うか」というテーマに直面しました。過去の地震災害の際には、高齢者の孤独死が問題になったとの調査もあります。

《社会的包摂》のための政策は、震災という新たな文脈が加わって、今、より重要性と緊急性を増していると言えるでしょう。

 

社会的包摂を進める三本柱
社会的包摂を進めるための対応をどこから進めていくべきなのでしょうか。それを3つの柱としてまとめたのが、今般の「緊急提言」です。
3つの柱とは、
(1)社会的排除のリスクについての実態調査
(2)先導的なプロジェクトの実施
(3)ワンストップでの相談事業の実施です。

それぞれの内容を見てみましょう。

 

(1) 社会的排除のリスクについての実態調査
教育の機会の不足が不安定な就労につながり、貧困に陥るリスクを高める、といった形で、社会的排除のリスクは「連鎖」していく、と言われます。
果たしてどういう経路でこうしたリスクの「連鎖」が起きていっているのか。そして、現行のセーフティネットがどのような点で対応できていないのか。震災の発生は、どういう影響を与えるのか。
・・・そういった点を精緻に分析することが、具体的な政策対応を考える上での「基礎工事」として、極めて重要です。

 

(2) 先導的なプロジェクトの実施
これまでも、「包括的に」「関係機関と連携して」といった言葉で、社会的な弱者を救おうという試みは多々なされてきました。しかし、こうした「連携」の実質的な内容が担保されていないため、例えば、高校中退で居場所がなくなってしまった若者、家庭環境などで学習や発達に遅れのある小中学生、といったところが手薄になっていると言われます。
政府は、新成長戦略の目玉の一つとして、個人個人の状況に合わせた支援体制の整備として「パーソナル・サポート」サービス支援を進めています。これを拡充して、上記のような既存の支援策からこぼれ落ちてしまっている人にも手を差し伸べることができるよう、関係者の連携体制を構築し、人材育成を進めていきます。

 

(3) ワンストップでの相談事業の実施
様々な支援事業を実施しても、そうした支援にたどりつかず、生活困難に陥る人がいてはなりません。生きにくさ、暮らしにくさを抱える人々が、いつでもどこでも相談でき、適切な支援を受けられるようなワンストップ型の相談支援が必要です。
NPOや公的な団体が行うこうした聞き取りや寄り添い支援を行える「コールセンター」を設置する場合、それに政府としても支援することを検討していきます。

 

「社会的包摂」は、政府の基本方針
特命チームの活動のおかげで、政府全体の政策の方針にも次々と《社会的包摂》の考え方が取り入れられてきました。
大震災からの復興にあたっても、復興構想会議の提言やそれを踏まえた政府の復興基本方針の中でも、はっきりと《社会的包摂》を進めていくことが書き込まれています。また、これまで何回かにわたってシリーズで紹介しています「社会保障・税一体改革」の成案にも明記されています。
今般のとりまとめは、《社会的包摂》を社会の中に当たり前のものとして定着させる第一歩です。今後、これを政策の上でも具体化させ、大きく育てていくことが何より重要です。3つの柱を実現していくべく、被災地三県を中心に、第三次補正予算を含め、全国的に対応していきます。そのことによって、被災地の復興にも、そして日本全体の再生にもつながっていくことを期待したいと思います。

 

08/12(金曜日)

節電の夏! 電力需給の「見える化」と政府の取組

 

東日本大震災の影響による電力不足。この夏、計画停電を何としても回避するために、節電を国民の皆さんにお願いしています。

 

立秋を過ぎたとはいえ、暑さはこれからが本番。今回のこのコーナーでは、節電について政府のいろいろな取組をご紹介します。

 

P201108121 ←こちらのサイトで、今回の記事でご紹介するさまざまな情報がご覧いただけます。

 

企業や家庭での節電のおかげ!

 

毎日の電力需給の状況は、政府と電力会社が提供している毎日の「でんき予報」を見ていただくと分かるようになっています。

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図1:ある日の「でんき予報」

 

テレビやラジオでも、朝晩の天気予報とあわせて、「でんき予報」を流していただいています。
「明日の東京電力管内では、午後2時台が消費電力のピークで、最大使用率は80%となる見込みです」といったアナウンスを聞かれたことがあるのではないでしょうか?
電力会社ごとに、時間ごとの電力の需要量の変化昨年との比較も分かるようになっています。(ここをクリック

 

皆さんの中には、こうした情報に何日か接しておられて、

 

「最大使用率が8割台にはなるけど、およそ90%を超えたりしないじゃないか!」

 

「実はこの夏の電力は足りているのではないか?」

 

・・・などと感想や疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

 

お答えします。

 

実は、夏の対策を検討していた5月頃の想定と比べると、電力需要が相当に減っています
政府として、例えば、東京・東北電力管内においては「昨年の最大ピーク電力と比べて15%カットする」という目標を掲げさせていただいていますが、7月平均では、東京電力管内においては昨年同期比で約20%、東北電力管内においては約18%の削減を達成しました。

 

この削減について、梅雨明けのタイミングや昨年との気温の差など様々な要因があり、一概に説明することは難しいところです。夏の暑さで冷房の使用が予想以上に伸びたりすると、需要がどうなるかはなかなか正確には見通せません。東日本大震災の影響で企業活動が100%の水準には戻っていない、といった事情もあるでしょう。
ただ、1つ明らかなことは、皆さんの節電があったからこそ、計画停電になるような事態が回避されている、ということです。

 

 

「いざ節電」に備えて、需給ひっ迫お知らせサービスのご登録を!!

 

8月に入り、電力需要は増加の傾向にあり、特に東北電力では供給力が低下しています。引き続き、熱中症にならないよう、無理のない範囲での節電にご協力をお願いいたします。

 「節電をするにあたって、全体の電力の需給がいつ厳しくなるのかもっと具体的に分かれば、更なる節電にも協力しやすい」といった声を踏まえて、政府は、「緊急地震速報」にならい、「電力需給逼迫警報」を出すことにしています。

 

皆さんの節電努力にも関わらず、電力供給と電力需要の差が3%未満となる見込みとなった場合は、前日の18時までに電力需給ひっ迫警報の第1報が出されます。当日の7時30分または8時30分の段階で引きつづき状況が改善していない場合には、電力需給ひっ迫警報の第2報が出されます。

 

 この警報が出た場合には、更なる節電へのお願いをすることになります。東京電力・東北電力管内の皆様を対象に、携帯電話・スマートフォンへ需給ひっ迫状況をお知らせするサービスを開始しました。お知らせが届きましたら、より一層の節電にご協力お願いします。

 

※ 需給ひっ迫お知らせサービスについて、詳しくはこちら

 

 

節電の取組-政府の率先実行の数々を紹介します

 

政府としても率先して節電に取り組むべく、各省庁は「節電実行計画」を作成し、使用最大電力▲15%以上を達成するため、様々な取組を進めています。いくつか《先進的》なものをご紹介します。
(皆さんから寄せられている節電のアイデアについては、節電アクションサイトをご覧ください。)

■執務室や廊下での節電

霞が関の各省庁の建物に出入りされた方々の多くは、「真っ暗に近い廊下」「ほとんど止まっているエレベーター」「冷房の抑制で《生暖かい》会議室」を肌で実感されているのではないでしょうか。こうした「節電三点セット」は、多くの政府の建物での一般的な風景となりつつあります。ある役所の廊下では、日中でも真っ暗で、前から近づいて来る人の顔が全く見分けられないくらいです。

■今こそスーパー・クールビズ!

環境省がこれまで提唱してきた「クールビズ」。今年6月からは、「スーパー・クールビズ」へと《進化》を遂げました(*1)。

これまでの「28℃の室温設定」「ノー上着などの軽装」といった取組から、更に踏み込んで、「軽装の強化」のみならず、勤務時間のシフトや休暇の分散化などの「ワークスタイルの変革」が奨励されています。

*1「クールビズ」と「スーパー・クールビズ」の違い

スーパー・クールビズ運動の《総本山》、環境省の執務室では、さっそく実践して、「ポロシャツ」「かりゆしウェア」(*2)で勤務している職員があちこちで見受けられます。 

*2かりゆしウェア:沖縄で作られた、沖縄らしさを表現した軽装。公式の場においても着用されている。

「だだ自分が涼しいだけ」では、ビジネスTPOの観点から抵抗を感じる向きもあります。そこで、「カラーTシャツとサンダルは執務室だけ」といった配慮をしています。

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写真1:「かりゆしウェア」で勤務する環境省職員

オフィスでは、冷暖房に次いで、照明が多くの電力消費源となっています。

ここでも先進的な取組を進めるのは環境省。日中は部屋の蛍光灯は原則として消し、職員一人一人がLED電灯のスタンドで光をとって作業をしています。

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写真2:LEDの光のみで仕事をする環境省の執務室

なんだか洞窟の中で仕事をしているようですが・・・。もちろん、労働環境として必要な明るさは確保。

ちなみに、この部署に配布されているLED電灯の多くは、節電技術に関する研究開発プロジェクトで試作したものを再利用し、現場で使っているそうです。

窓は当然に二重ガラス。廊下は真っ暗。かなりの徹底ぶりです。

■働き方の変革こそ、節電アクションの真髄!

「節電ファッション」や「照明・冷房の節約」だけが節電の取組ではありません。

節電をきっかけとして、日本人に長年染みついた働き方の《慣行》を《意識》レベルから変えるチャンスにしようと、政府でも様々な試行錯誤を続けています。

夏の電力需給は、ピーク時の最大使用電力をどう減らすかという問題です。そのため、活動のピーク時の時間帯を分散することが少なからず、全体の電力需要のピークオフに貢献することになります。

政府の中でも、果敢(?)に「輪番休業」の試行を始めました。先ほどからご紹介している環境省では、7月からお盆の前の週まで、土曜日に出勤し、その代わりに「部局」毎に日を決めて、平日を休日にする、という取り決めをし、実行してきています。

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図2:7月から8月前半までの輪番休業の表

これまでの役所の業務の「常識」からすると、「え、平日に勝手に休みにして、その日の窓口業務に支障をきたすのではないの?」といった疑問が出てくるところです。そこは、当番制でうまく処理できる体制としています。

平日、輪番休業に当たっている日にやむなく出勤する人たちは、普段の広い執務室で仕事をしては、輪番休業の意味がなくなってしまうので、1つの狭い会議室などに集まって仕事をしています。

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写真3:節電効果を上げるため、一か所に集まって仕事

これまで休みだった土曜日に出勤し、平日を休みにすることについて、職員によれば、土曜日の方が静かに作業できるので、かえって仕事の効率はいい、といった反応もあるそうです。

このほかにも、かなりのエレベーターが停止しているので、昼休み時間の混雑を緩和するため、昼休みを「輪番」にして、11:00~、11:30~、12:00~に分けたり、テレワークを活用したり、といったことも併せて実行しています。環境省は、こうした取組でピーク電力を30%以上も削減をしているそうです。

節電をきっかけとした働き方の変革は、多くの企業にも取組が広がっています。ノー残業デーの設定、「シエスタ」(昼寝)の実施、平日休業と土日出勤、早朝への出勤時間のシフト...

「節電アクション」のページに、企業の多数の取組例が記載されていますので、これも参考にしていただきたいと思います。

この電力不足を後ろ向きにとらえるのではなく、ゆとりある新しい働き方を広げるきっかけにする。そういう前向きな気持ちで、みなさんも取り組んでみませんか?

 

08/09(火曜日)

逆行を許さず、人も仕組も入れ替えて

 

6日と今日(9日)、66年目の広島・長崎を訪ねました。両日とも、被爆者の皆さんや、去年から政府が委嘱を始めた「非核特使」の皆さんから、お話を伺う時間を持ちました。(その本題については、機会を改めて記します。)この席で、何人もの方から東電福島原発事故を心配する発言があり、原発に依存する社会から脱していって欲しいという強い希望が語られたことは、大変に印象的でした。

 

私自身も、式典の挨拶では、先月13日の会見で明示した《脱・原発依存》の方針を改めて表明しましたが、ただ言葉を繰り返しているだけではありません。先月13日と今現在を比べると、言葉の裏打ちとなる実務は、着実に前進しています。今まさに、この方針を推し進めるための《行政の仕組の変革》が、目に見える形で始動したところです。

 

これまでの体制の抜本的な打破に向けて、車の両輪のように頑張ってくれているのは、海江田経産大臣と細野原発事故担当大臣です。まず海江田大臣は、経産省の原発関連の「人心一新」を考え、現在の事務次官、原子力安全・保安院長、資源エネルギー庁長官を一斉に交代させることを先週発表しました。国民の皆さんの信頼を取り戻すべく、この姿勢でどんどん進めて頂きたいと思います。

 

一方、細野大臣は、先週末、原子力安全規制に関する新組織のあり方について「再編試案」をまとめました。所属は内閣府か環境省か、といった点の詰めは残っていますが、肝心なのは、これでついに原子力安全・保安院の原子力安全規制部門が、経産省から切り離されるという点です。私がずっと問題視してきた"推進側と規制側の同居"構造は、これで解消されます。

 

いついかなる時も最優先されるべきは、《国民の安全》です。ところが今までの原子力・電力行政は、一部の既得権や企業の利益を時に優先させかねず、"原子力村"などとも言われてきました。中味(人事)と器(組織)の入れ替えで、もう後戻りはさせません。

 

08/08(月曜日)

菅内閣の一週間(8月1日~8月7日)

 

3日、新成長戦略実現会議において、革新的エネルギー・環境戦略、空洞化防止・海外市場開拓、国と国との絆の強化、農林漁業再生、成長型長寿社会・地域再生の5項目などを内容とする日本再生のための戦略の方針を取りまとめました。
また、総理は、6日に広島市で行われた広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に参列し、犠牲者の冥福と世界の平和を祈りました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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08/01(月曜日)

菅内閣の一週間(7月25日~7月31日)

 

29日、東日本大震災復興対策本部において、本格復興に向けた政府の取組の全体像を示す「復興基本方針」を決定するとともに、エネルギー・環境会議において、「当面のエネルギー需給安定策」と「革新的エネルギー環境戦略策定に向けた中間的なとりまとめ」を決定しました。同日夜、これらの基本方針等の決定を受けて、菅総理が記者会見を行いました。また、31日には、長野県茅野市を訪問し、「みんなのエネルギー・環境会議」に出席しました。

下の表(画像)をクリックすると大きく表示されます。(官邸HPへ)

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